日時  平成27年10月16日(金)  18:30~20:30

会場  総合文化センター 3階研修室

講師  医療法人社団 明正会 墨田クリニック

     院長・医師  出井 雄幸  氏


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 今回の研修は

 「認知症高齢者の看取りの特性」をテーマに、

 出井先生に講義をして頂き、129の方が参加されました。

 
アンケートからは、

 ・医療側から見た介護の話を聴く機会があまりないので、大変興味深く

  聴けました。とても分かりやすい内容で、特に実症例が分かりやすかった。

 ・心のスキルを磨くために、「傾聴、受容、寄り添い、笑顔」を

  心がけていきたいと思います。

 ・介護職には分かりにくかったオピオイドの効き方や副作用などが分かって

  良かったです。

 次回の研修は、10月29日(木)、障害者福祉に関する研修で、

 場所は総合文化センター3階研修室です。




【講師の出井先生より、ご参加頂いた皆様へメッセージが届きました】


 先日は江戸川区委託研修「医療研修」にご参加いただき、また当医の拙い講演に耳を傾けていただきありがとうございました。

 アンケート用紙に記載いただいたご質問にはできるだけお答えさせていただきます。順次ご送付いたしますのでしばらくお待ち下さい。

 今回 ご質問記入の有無に関わらず、できるだけ多くのご参加者へ、先日会場でいただきましたご質問への私なりの回答をさせていただきたく、当書状を送付させていただきました。

 「独居の方のお看取りの困難さ/墨田クリニックでの対応」とのご質問ですが、先日会場では上手く回答できませんでした。長時間お話し続けさせていただいたためか、頭が回りませんで

 墨田クリニックでは、独居の方を数多く外来/訪問診療にて診療しております。訪問診療においては独居の方のお看取りも行っています。講演でも申し上げましたが、独居の方で、特に賃貸暮らしの方ですと、大家さんを始め地域の方々のご理解とご協力が必要なことも多く、容易ではありません。担当のケアマネジャー様、民生委員の方、介護担当責任者の方、訪問入浴、訪問看護、宅配弁当、当院MSW、等で相談しながら、ご本人の意思を尊重しながら、「住み慣れたところから移りたくない」お気持ちがあるなら、なるべくそれに沿う医療・介護プランを考えています。認知症や重度麻痺等で苦痛緩和のレスキュー摂取がご自分ではできない悪性疾患等の場合は末期近くでは入院が必要になることもありますが、例えば老衰、心疾患や慢性呼吸器疾患等でのお看取りは複数経験しております。

 独居でのお看取りの多くのケースは、容態の予測されない急変であることが多く、ヘルパーさんが訪問した際に心肺停止状態であった、ということが多いです。クリニックにお電話がいただけず、救急隊、警察が介入して、最終的に主治医の私が警察のご遺体安置所へ伺って死亡診断を行うことも何度も経験しておりますし、私はそれを少しも困難とは感じません。

 都内のご老人のうち3人に1人以上が独居で、「住み慣れた処に住めない」、「死に場所がない」方々は多数おられます。行政のシステム整備だけでは問題は解決しないと思います。警察の方ともよくお話しするのですが、独居の孤独死で警察に搬送される方は年々増えているそうです。地域の交流、見守り、理解、心情がより大切な気がします。

 とはいえ、独居ご遺体を発見されるヘルパーさんの心情もよく分かります。クリニックに電話したけど対応が悪かったということもあるでしょう。私達医療者はよく考え、配慮しなければなりませんね。

 「主治医・副主治医」のシステムは素晴らしいと思います。ただ、自分が死ぬ時には、普段お世話になった主治医に看取ってもらいたいと、個人的には思います。

 上手くまとまったお話しにはなりませんが、何かの参考にされて下さい。今後の皆さまのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。


平成271021

医療法人社団 明正会

墨田クリニック

院長 出井 雄幸