朝鮮女性従業員たちの帰国を願う | 江戸川同胞コミュニティー「まだん」のブログ

朝鮮女性従業員たちの帰国を願う

朝鮮女性従業員たちの帰国を願う

ー韓国亡命斡旋業者に狙われた、朝鮮女性従業員たちの運命ー

 

 

中国浙江省の寧波市にあった朝鮮レストラン「柳京食堂」の支配人と従業員、合わせて13人が韓国に入国した事件について、各国メディアが様々な憶測を報じている。

 

当ブログでもお伝えしているとおり、現在この問題が南北間で新たな展開を迎えている。

 

彼女たちが心配だ。

 

朝鮮の朝鮮赤十字会中央委員会は報道官声明で「愛する娘たちを無理やり拉致された家族は一刻も早く、子供たちと対面することを切に求めている」と421日報じた。

 

声明は「われわれは家族が子供たちと会えるよう、板門店か、必要ならソウルまで送りだす」とした。

 

また要求を受け入れない場合は、多様な方法で青瓦台などに対し復讐すると威嚇した。

 

声明は、韓国国家情報院が拉致して行った共和国公民らの肉声をメディアに公開出来ず、報道管制を実施しているとし、今回演じた集団誘引・拉致劇に関連する具体的な資料を我々は全て持っており、それを全世界に公開する準備が整っているとも指摘している。

 

同委員会は12日にも拉致劇について、「前代未聞の行為であり、共和国に対する重大挑発」とする報道官談話を発表している。

 

 また同日、韓国統一部は従業員の家族との対面要求に対して、「今回の集団脱北は全面的に彼らの意志によるものだ」とし、国際的慣例を考慮すると受け入れられないと明らかにした。

 

 当ブログでも紹介したが、去る418日、中国で経営する飲食店で従業員として働いていた女性7人が朝鮮平壌の高麗ホテルでCNNの単独インタビューに応じ、韓国にだっぽく入国したとされる同僚について「だまされて韓国に連れて行かれた」と涙ながらに訴えた。

 

 

韓国政府は今回、執拗な工作活動が実り、インパクトが強い亡命劇を成功させ、世界に発表するまでに至った。

 

従業員たちが韓国の亡命斡旋業者に口説かれ、騙され、脅されて亡命劇に至っていることは明白だ。

 

朝鮮当局は今回の声明で、妥当な要求を拒否するなら、韓国が自ら罪を認めることになると指摘した。

 

さて、韓国政府はどう対応するのか見ものだ。

 

朝鮮が強調するように韓国政府当局の拉致事件であるなら、女性従業員たちが拉致された怒りや事実関係を証言してしまうので当然、面会もさせるわけにもいかず、朝鮮に返すわけにもいかないであろう。

 

また、韓国政府が主張するように従業員たちが、自らの意思で南に渡った断言した以上、「朝鮮の人権侵害、虐待から逃れようとしている女性たちを、保護する」との口実で面会させないと言い張るだろう。

 

では韓国政府は何故、このような危ない橋を渡ってまで拉致を強行したのであろうか。

 

様々な情報と憶測が飛び交うなか、韓国のハンギョレ新聞は、今回の事件が素早く公表された裏には、朴槿恵政権の政治的意図があると指摘する。

 

すなわち去る13日に行われた韓国総選挙に向けた選挙対策である。

 

情勢が不利になると後先をも考えず強行する政治工作、青瓦台の常套手段である。

 

同紙によると、今回の事件の公表は、青瓦台からの指示で突如として行われたと言う。

 

統一省は、脱北者とされる残された家族の安全のため、公表すべきではないと反対したが、朴政権に押し切られたという。

 

脱北者問題はデリケートなので、韓国では通常一年ほど身辺調査をした後に公開、非公開を分類するが、今回の発表はあまりにもタイムリーすぎる。何故そこまで急ぐ必要があったのか。

 

つまり総選挙を前に、朴大統領が韓国政府の独自制裁が、北朝鮮に影響を与えていることをアピールし、保守層の票固めを狙ったものだと同紙は伝えた。

 

実際、このアピールは想像以上にインパクトが強く、情報は全世界を駆け巡った。

 

聯合ニュースは、柳京食堂の電気、水道の点検、修理を行っていた中国人の外部業者の証言を引用しながら、「柳京食堂は、中国人社長と朝鮮関係者によって運営されていた。両者の間で暴行事件が起き、関係者が警察の取り調べを受けるなど、深刻なトラブルが発生していた」と報じた。トラブルの原因については言及していない。

 

また、この業者は、「レストランでは朝鮮出身の従業員10数人に加えて、責任者と見られる5060代、30代の男性2人がおり、すぐ近所の宿舎で集団生活をしていた」と付け加えた。

 

韓国KBS放送は、近隣住民の「レストランの従業員は18人から20人いたが、脱北した13人以外の行方はわからない」という証言を報じた。この証言は既に朝鮮に帰国した7名のインタビューで辻褄が合う。

 

また、レストランの向かいで化粧品店を経営する女性は「レストランの2階には、朝鮮ビザの業務を行う男性たちがいたが、彼らの姿も消えた」と同放送に述べたという。

 

通常、中国にいる脱北者が韓国にたどり着くには数週間から数ヶ月を要する。今回、従業員たちはわずか2日で韓国に入国したことから、「彼女たちは朝鮮のパスポートを利用し、合法的に中国を出国した」と韓国の中央日報は報じた。

 

さらに中央日報は、中国情報筋の証言として「従業員のパスポートは支配人が管理しているが、彼が主導しての脱北ならば、中国当局にも怪しまれず、また協力を受けなくとも問題なく出国できる」という見方を伝えた。

 

朝鮮の出稼ぎ労働者が中国をはじめ海外で、韓国の亡命斡旋業者に日常的に狙われている話は有名である。

 

彼女たちの一日も早い帰国の実現を願う。