脱北の同僚は「だまされた」、北朝鮮に戻った女性が涙の証言 | 江戸川同胞コミュニティー「まだん」のブログ

脱北の同僚は「だまされた」、北朝鮮に戻った女性が涙の証言

脱北の同僚は「だまされた」、北朝鮮に戻った女性が涙の証言 CNN EXCLUSIVE

2016.04.21 Thu posted at 12:01 JST

CNNの取材に答えるウエートレス

 

平壌(CNN) 北朝鮮が中国で経営する飲食店でウエートレスとして働いていた女性7人が平壌でCNNの単独インタビューに応じ、韓国に脱北したとされる同僚について「だまされて韓国に連れて行かれた」と涙ながらに訴えた。

 

インタビューは平壌にある高麗ホテルで18日に行った。黒いスーツ姿で現れた7人は、ほとんどノーメークで無表情だった。

 

年齢はいずれも20代。北朝鮮の良家の出で、信頼できる市民として選ばれ、北朝鮮の外貨獲得のため、今月上旬まで中国南部・浙江省の寧波市で北朝鮮が運営する飲食店のウエートレスとして働いていた。

 

ところがその飲食店が閉鎖され、7人は北朝鮮に戻った。ウエートレスだった1人、ハン・ユンフイさんは、「私たちは自分の両親や国や金正恩(キムジョンウン)指導者から決して離れない」と涙を流した。

 

韓国政府は先週、北朝鮮の女性12人と男性1人が脱北したと発表していた。脱北の理由については、外貨を本国に送らなければならないという「北朝鮮の圧力を感じた」と説明。韓国統一省の報道官は、「韓国のテレビやドラマ、映画、インターネットを通じて現実を知った」と述べていた。

 

これに対して朝鮮中央通信は北朝鮮赤十字の広報の話として、北朝鮮の従業員が白昼堂々、集団拉致されたと非難していた。

 

平壌でCNNの取材に応じた7人は、寧波市の同じレストランで働いていた従業員で、公の場で発言するのは今回が初めて。7人の話では、飲食店の経営者が他の12人のウエートレスをだまし、目的地を偽って中国から出国させたという。

 

筆頭ウエートレスのチョー・ヘヨンさんは「3月半ばに経営者が私たちを集め、飲食店が東南アジアの別の場所に移転することになったと告げた」と話す。

 

しかし経営者はその前に、本当は脱北して韓国へ行く予定だと、チョーさんだけに打ち明けていたという。

 

時間が迫っていたため、わずか数人のウエートレスにしかそのことを告げられなかったとチョーさんは語り、「その時には既に車が私たちを待っていた」と泣き崩れた。

 

チョーさんたちは、飲食店経営者と韓国の実業家が結託し、韓国政府の指示で移動を計画したと主張。ハン・ユンフイさんは「同僚はだまされて無理やり韓国に連行され、極度の苦境に陥っている」とすすり泣いた。

 

これに対して韓国統一省はCNNの取材に、「13人の脱北者は自らの意思で脱北を決め、外からの助けを借りずに脱出を果たした。自発的な亡命申請を受け、我が国の政府は人道的見地から受け入れることにした」と反論している。

 

もし韓国の発表が事実だとすると、北朝鮮にとって長年の同盟国であり貿易相手でもあった中国が脱北を容認したことになり、北朝鮮にとって大きな打撃になる。

 

これまで中国は脱北者を北朝鮮に送り返していた。しかし今回は中国外務省の陸慷報道官が11日の記者会見で、「調査の結果、(北朝鮮の)13人は有効なパスポートで6日早朝に中国を出国していたことが分かった。全員が有効な身分証明書を持ち、法に従って中国から出国した」と言明した。中国当局が脱北者について公の場で言及するのは異例。

 

中国の今回の対応について専門家の多くは、北朝鮮と中国政府の間で緊張が高まっていることの表れと見る。北朝鮮は核開発やミサイル開発を巡って国際社会が制裁を強化する中で、孤立を深めている。

 

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