「青春朝鮮」訪問記④ 人民と交わした約束 | 江戸川同胞コミュニティー「まだん」のブログ

「青春朝鮮」訪問記④ 人民と交わした約束

梁所長の「青春朝鮮」訪問記④



人民と交わした約束

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 米国防総省が116日に公開した録音記録によると、パネッタ米国防長官は北の権力継承が今後の対北政策に及ぼす影響に対する質問で「正確には分からないが、我々は今後の局面の展開を詳細に注視している」と述べた。
 「北の権力継承は、米国の政策に何の変化も起こしていない」とし、韓国との緊密な協力が行われていると述べた。
 また、金正恩第1書記に対して「全ての人がこのヤングボーイを緊密に注視している。彼は新たな人物で、若い」と評価した。
 「我々は、彼が追いかけるモデルが何であるかを正確に把握していない。自分の存在と力を再創出しながら、当分の間は父親が過去に行ったモデルをたどる可能性がある」と述べた。


 クリントン米国務長官は6月14日(現地時間)、「第2回韓米外交・国防長官(2+2)会談」を終えた後に行った記者会見で、朝鮮の金正恩第1書記へのメッセージを公表した。
 クリントン長官は金正恩第1書記をどう思うかという質問に対し、「若者(ヤングマン・young man)」「新しい指導者(ニューリーダー・new leader)」と呼んだ後、「この人には2つの道があるが、過去のようにずっと北朝鮮住民を飢餓と抑圧の中に追い詰めるのか、それとも改革と開発の道に導くかだ」と答えた。
 クリントン長官は「戦争遂行にお金を浪費するよりも、住民の生活、教育と医療の支援をし、飢えと孤立をなくすべきだ」とし「北朝鮮の新しい指導者が北朝鮮住民を最優先価値として抑圧をやめれば、私たちが立ち上がって支援することができる」と述べた。特に、「指導者は国民がよりよく暮らせるように導くかどうかで判断される」とし「私は彼が北朝鮮住民に恩恵を与える選択ができることを希望する」と強調した。


 これに対し…

 平壌6月18日発朝鮮中央通信発共和国外務省のスポークスマンは、米国務長官が共和国に言い掛かりをつける妄言を吐いたことに関連して617日、朝鮮中央通信社記者の質問に次のように答えた。

民生問題、生存権問題が本当に深刻に提起される国は、人口の99%が1%に搾取される米国である。

ヒラリーとしては、自分の民主党行政府の再執権を不可能にしかねないほど深刻になった米国の経済難と失業大群の救済に神経を使う方がもっと体裁にふさわしいであろう。

わが人民自身が選択した朝鮮式の社会主義制度がアメリカ式の資本主義制度よりはるかに限りなく繁栄するということは時間が証明するであろう。とクリントンではなく、「ヒラリー」と呼び捨てて反論した。




 4月以降、「ヤングボーイ」から「ヤングマン」に米国の評価が変わった?


 そして、パネッタ長官の「権力継承は、米国の政策に何の変化も起こしていない。…全ての人がこのヤングボーイを緊密に注視している。…」から、クリントン長官の「北朝鮮の新しい指導者が北朝鮮住民を最優先価値として抑圧をやめれば、私たちが立ち上がって支援することができる」とのメッセージに変わった。米国の政策に変化が表れているのは否めないだろう。



しかし、一国のトップに対して「ヤングボーイ」は失礼であろう。



 金正恩第一委員長の正式な職責及び名称は現在、朝鮮労働党 第一書記 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会第一委員長 、朝鮮労働党中央軍事委員会委員長、朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員、朝鮮人民軍 最高司令官を務める。軍事称号は朝鮮人民軍大将 である。



 在日同胞の中では、親しみを込めて冗談っぽく「若大将」と呼ぶ人もいた。

 また、祖国訪問中に私の知りあいたちが帰国した親族、知人たちに会った時、第一委員長に対し親しみを込めて冗談半分に日本語で私たちの「若」と呼んでいた、と言う話も小耳にはさんだ。若い指導者に対する、親近感、期待感で第一委員長の人気は、日増しに高まっているのを肌で感じた。





金正恩第一委員長は閲兵式の演説で、つぎのように述べた。「今日我らは新しい主体100年代が始まる、歴史的な分水嶺に立っています。

 今でこそ、金正日同志の膝元で革命を学んだ我らが、どんな時よりも決然と奮発して立ち上がらなければならない、責任重大な時期であります。」



第一委員長が自身をも含めて、ここで訴えかけている対象、我らとは主に新しい世代、若い世代たちのことだと私は感じた。


 朝鮮でも革命1、2世代が減り、在日同胞の中でも1世、2世が減り3,4世の新しい世代、若い世代が中心的役割を担っている。



金正恩第一委員長のヤングパワー漲る現地指導は、朝鮮内外で波紋を呼んでいる。



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私が滞在した期間だけでも、連日連夜の現地指導の報道や、感動的な逸話を各方面から聞いた。休む暇もないらしい。ちなみに私も第一委員長が出席した行事に6度も参加する幸運に恵まれた。各種行事まで含むと、超過密スケジュールだそうだ。



特に、金正恩第1委員長が平壌の万景台遊園地を見て回り、管理、運営状況の改善について厳しい語調で指摘したとされる報道(5月9日)は、国内外で大きな反響を呼んだ。



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総敷地面積70㌶の万景台遊園地は1982年にオープン、翌年には拡張工事がなされプールも併設されている。近年老朽化が進んでいる。私もオープンした年に来た。その後数回遊んだことがある。


 第1委員長は現地で、園内の設備更新よりも職員たちの「人民に対する奉仕精神」について一つひとつ言及した。



報道によると、金正恩第1委員長は歩道のひび割れや園内の植物の手入れ、また区画整理やアトラクションの安全面にいたるまで利用者に対する職員たちの営業努力について強調した。


 第1委員長は、歩道ブロックの隙間に生えた雑草を一本一本自ら抜き取り、「人民のために奉仕しようとする良心があるならこのように働けるのか、設備更新のようなものならいざ知らず、人の手があるのになぜ雑草ぐらい取れないのか」と管理者たちに厳しく指摘したという。


そのうえで遊園地を刷新するための課題を示すとともに、同行した崔竜海朝鮮人民軍総政治局長に人民軍の建設人員を派遣し遊園地を現代化するよう指示した。この日を境に万景台遊園地の運営は停止されている。


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 韓、米からの報道も取り上げてみよう。

 信憑性に欠けるが…


 韓国中央日報日本語版 530日付記事は、「金正恩“破格”の現地指導に北朝鮮住民の期待感が上昇」というタイトルを付け、朝鮮の金正恩労働党第1書記の即興的かつ破格的な現地指導方式が、一部の住民に好感を与えている、と報道した。



529日の米自由アジア放送(RFA)によると、咸境南道の住民クァクさんは「金正恩第1書記の現地指導方式が過去の現地指導とは違うという話が住民の間で広まり、好意的な反応が出ているほか、今後の政策に対する期待感も高まっている」と伝えた。

 過去の現地指導は事前に緻密に準備された脚本通りに行われていたが、金正恩第1書記は決まったコースを離脱して破格的に行うケースが多い。

クァクさんは「例えば、黄海道のある部隊を視察した際で、部隊長が案内するコースを外れて別の幕舎に入っていったが、よりによってそこは栄養失調の患者を集めたところだった」と話した。これを見た金正恩第1書記は激怒して部隊長を懲戒し、患者全員を平壌の病院に移したという。


 また金正恩第1書記は咸興を視察した際、途中で車を止めさせ、付近の民家に入った。そこで住民は夕食に、トウモロコシ数粒が入った干し菜の粥を食べていた。クァクさんは「その後、地域責任者にどんな措置が取られたかは伝えられていないが、いつも偽りの報告をしていた幹部が厳しい懲戒を受けたのは明らか」とし「住民は『新しい将軍様は何か違うようだ』と好意的な反応を見せている」と伝えた。

また、金正恩第1書記に対する官僚の期待もますます高まっていると伝えている。



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 金正恩第一委員長は人民に対しては温かいが、いざ官僚、幹部たちに対しては厳格であり要求性の高さは並大抵ではない。これは、人民の利益を最優先、絶対視する彼の人民性の表れである。


 祖国で聞いた話だが、第一委員長は「官僚、幹部たちは苦難の行軍をし、人民たちは楽園の行軍をするようにしよう。」と話したそうだ。



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「…社会主義富貴栄華を心ゆくまで享受しようというのが、我が党の確固たる決心であります。」これは、第一委員長自らが人民の前で交わした、固い約束である。


(つづく)