18年間続いたマラーホフの贈り物も、今回がファイナル。

日本中、そして世界中のバレエファンが夢中になった、バレエダンサー、マラーホフも、もう引退するのかな?
絶頂期を知っていると、昔ほど踊れなくなってしまったのは、誰の目にも明らか。

《シンデレラ》
振付:ウラジーミル・マラーホフ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ

ヤーナ・サレンコ
ウラジーミル・マラーホフ

マラーホフが芸術監督を務めるベルリン国立バレエから花形ダンサーのヤーナ・サレンコとペアで。
サレンコは、ものすごくずば抜けたダンサーで、大好きだったので、今回、連れてきてくれたのは、本当に嬉しい。それに見た目もキュートだ。
マラーホフ版のシンデレラは、全幕で見た事がある。
綺麗なパ・ド・ドゥを抜粋していた。王子とシンデレラのパ・ド・ドゥ。
特に、サレンコをリフトしながら、サレンコが体勢を変えずに右片足を、タッタッタッタと床に付けるシーン。サポートも綺麗で、まるで水面を滑るかのような幻想的な振付で、すごく好きだ。

《椿姫より第一幕のパ・ド・ドゥ》
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン

マリア・アイシュヴァルト
マライン・ラドメイカー

これは、すごく好きな作品だ。まさかピアノ曲がバレエと、こんなにマッチするなんて、と驚かされた演目。さすが、ノイマイヤー先生は、すごい。
そして、このペアは完璧なまでに、作品を昇華していた。
ラドメイカーのピルエットなどの回転技は、不安定なのに、崩れない、強固な優雅さあって、ものすごく綺麗だった。
また、息も止まるようなリフトの美しさ。まるで夢でも見ているかのような、一体感としなやかさ。
そして、情感のこもった演技。
なんて綺麗なんだろうと思った。
万雷の拍手と歓声の嵐で、会場は白熱した。

《「ジュエルズ」より“ダイヤモンド”》
振付:ジョージ・バランシン
音楽:チャイコフスキー

オリガ・スミルノワ
セミョーン・チュージン

幕が上がると、緊張した面持ち。そりゃ、椿姫で、あれだけの喝采が起きた後だから、無理も無いな~。
技術的には完璧だった。ただ、最後まで、もう一つ乗り切れないで終わってしまった感がある。本人達も、なんとなく気づいているようだった。それでも綺麗だったのは事実。

《レ・ブルジョア》
振付:ヴェン・ファン・コーウェンベルク
音楽:ジャック・ブレル

ディヌ・タマズラカル

あ!これシムキン君が踊ってたっけ?と思った。それなりに有名な作品だったんだ。
タマズラカルは、2回目だけど、去年よりも大分技術に磨きがかかったんだな~と思った。
もっと酔っ払った感じを、上手くだしてくれたら良かったけど、あまりやりすぎると面白く無いので、丁度良い塩梅だったかも。
ジュテにしてもピルエットにしても、おお!と思うくらい、すごく綺麗だったし。
楽しげな演技も良かった。

《ライト・レイン》
振付;ジェラルド・アルビノ
音楽:ダグ・アダムズ

ルシア・ラカッラ
マーロン・ディノ

ずっと同じリズムの繰り返しで、プリミティブな音楽。振付も、そんな感じのコンテンポラリー色の強い作品だった。
これが、見ていて、ものすごく面白くって、メランコリックな雰囲気も漂うのに、どこかエロティックで、神聖な感じもして、良い作品だと思った。
技術的にも、クラシックバレエからは逸脱したモダンで、体操の要素が、やや強いが、非常に難しい振付だった。
また見てみたいと思える作品だった。

~幕間~

《バレエ・インペリアル》
振付:ジョージ・バランシン
音楽:チャイコフスキー

ヤーナ・サレンコ
ウラジーミル・マラーホフ

バレエ帝国。なんだか響きだけで、うっとりしてしまうのは、バレエ・ファンだからか(笑)
これは、素晴らしい作品だ。
何より、東京バレエ団によるコール・ド・バレエのレベルの高さ。一糸乱れぬシンクロ。あんなに難しい振付を、ピッタリとあわせてしまうなんて、さすがだと思った。
ソリストに、宮本祐宜、梅澤紘貴と言った若手も頑張っていた。
ヤーナ・サレンコには、目が行くけれど、どうしてもマラーホフは、バランシンとかを踊るには、あまり踊れなくなったのが分かってしまうので、ちょっとなとは思った。
それにしても、良い作品で、本当に綺麗だった。祝祭的な作品。寄せては返すバレエの妙技。バレエ帝国にふさわしい振付と、バレエ帝国にふさわしい東京バレエ団のレベルの高さ。

~幕間~

パート2へ続く