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来日中のキエフ・バレエを見に行った。
場所は、上野の東京文化会館。

今回はオーケストラ・ピットにウクライナ国立管弦楽団が入っているので、楽団員の旅費もあるので、キエフ・バレエの格から考えると、少々お高めのチケット代の設定だったように思う。
演目も、ジゼルなので、それほど人気演目では無く平日ソワレ、チケットの売れ行きが良くないので、正直、直前までダンピングしないか注意していたけれど、あまり安くはならなかった。

会場に着くと、2階席から上は、空席の方が圧倒的に多く、平土間席は、まあまあ埋まっていたが、招待客でタダで観劇している人もなかには相当数いるのかもしれない。

キエフ・バレエの芸術監督に就任したデニス・マトヴィエンコがアルブレヒト公を演じる。
マトヴィエンコは、日本国立バレエ団の客演を始め、来日が多いので、日本のバレエファンには良く知られた逸材。
ミハイロフスキーやマリインスキーにプリンシパルとして在籍していた事もあるので、世界的に有名なダンサーだ。

ヴァリアシオンでは、ドゥーブルのトゥール・アン・レールやピルエットの8回転も披露。ジュテの跳躍も高く綺麗。ずば抜けている。
また、このバレエは、踊りよりも演技力を強く要求されるが、とても感情表現をよく表した良い演技だった。

タイトルロールを踊るエレーナ・フィリピエワは初めて見るダンサーだったが、すごく良かった。
狂乱のシーンでは迫真の演技だったし、技術的にも、単純な繰り返しの大変な振付を、難なく演じていた。リフトでも良かったし、細かなところにも丁寧に気を配って演じていた。

今回の演出では、気品があるタイプのジゼルだった。
ジゼルは庶民ヴァージョンと気品あるヴァージョンがある。
ジゼルの父が不在のところに、憶測を呼ぶようで、ジゼルの父親は本当は貴族なのでは無いかと言う事を暗に示すために、他の村娘と違って、気品を漂わせる演出があるが、今回はそれだったのだろう。

2幕目で、アルブレヒトと精霊となったジゼルの再開では、ジゼルは最初からアルブレヒトを許しているヴァージョンだった。

森番ハンスのヤン・ヴァーニャも、がっつり踊るシーンこそ少ないけれども、ヴァリアシオンなどでは、とても良い安定を見せていた。

ミルタ役も良い。

全体的に、一幕目は、最初は、あまり感心出来なかった。ペザント・パ・ド・ドゥなんか、あまり良くなかったので、退屈だった。
オーケストラの演奏も、一幕目の最初は、良くない演奏だった。

しかし、1幕目の終盤での、オーケストラから、とてもメリハリの利いた良い演奏になった。

コール・ドも、最初のうちは、あまり感心せずに見ていたが、二幕目からのウィリーの一糸乱れる美しいシンクロは、印象的だ。
幻想的で美しかった。

とても良い公演だった。

ジゼル :  エレーナ・マチルダ
アルベルト : デニス・マトヴィエンコ
森番ハンス : ヤン・ヴァーニャ
アルベルトの従者 : ロマン・サザゴロドニー
バチルド : オレシア・ヴォロトニュク
ベルタ : リュドミーラ・メーリクニク
ペザント・パ・ド・ドゥ エリザヴェータ・チェプラソワ

ミルタ : カテリーナ・カザチェンコ
モンナ : カテリーナ・カザチェンコ
ズルマ : アナスタシヤ・シェフチェンコ