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五反田のゆうぽうとホールで、絶大的な人気を誇る英国ロイヤルのプリンシパル、アリーナ・コジョカルを始め、英国ロイヤルのプリンシパルが6人、イングリッシュ・ナショナル・バレエのプリンシパルが1人の超豪華ダンサーが出演したプリンシパル・ガラに行った。

《アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト》

これは良い公演だった。

まず開演前に着席して同行の友人に教えてもらって気付いたのが、今回の公演では、備え付けのスピーカーとは別にスピーカーを設置していた事だ。
前回のゆうぽうとホールのパリ・オペラ座バレエのエトワール・ガラではとくかく備え付けのスピーカーの質が悪かった事を指摘した。
主催者側は備え付けのスピーカーの質が悪いことを知ってて、別で良質のスピーカーを設置してくれたんだね~。さすがはNBS♪
音が良いだけで、まったく感動が違う。

《ラリナ・ワルツ》で開幕。
7人全員が登場。女性3人に男性4人。
お~これは華やかで可憐。最初から、すごく力を入れている。素晴らしく綺麗で良い作品。
いっぱいいると、誰が誰か分からない。皆、すごく卓越して上手い。
なので、真ん中にいるのがコジョカルだろうな~とか、あそこにいるのがマックレーで、ポルーニンはこっちかな~とか、ある程度は予想しながら見ていた。
フィギュア・スケートみたいな回転技もあったりで面白い作品だ。
最後は、女性2人、男性3人でフィナーレ。
おそらく、他の2人は次の幕の準備で途中で抜けたのだろう。

《ゼンツァーノの花祭り》
ロベルタ・マルケスとヨハン・コボーのパ・ド・ドゥ、初めて見た作品。
ブルノンヴィル振付なのでデンマークの古典作品だろう。
そう言えばヨハン・コボーはデンマーク出身だ。
大きな見せ所がある訳では無いが、それがデンマーク・バレエの特徴とも言える。技を正確に決める事と表現力に重きを置いている。
今回の公演の中では、あまり印象には残らなかった演目だが、誠実な模範演技だと思った。所作の一つ一つが綺麗。
最後のコーダの終曲部で、踊りが音楽とずれてしまって、ありゃりゃりゃと思った。録音テープだから仕方が無い。
観客側も、どよめいたが、茶目っ気ある作品で、ダンサー側も茶目っ気でごまかしていたので、観客側も暖かく見守っていた。
スタッフ側が幕を下ろ すのが早くて、ダンサー側が驚いて踊りにずれが生じたような気もする。

《眠れる森の美女より、ローズ・アダージオ》
コジョカルのオーロラ姫役、30歳代に突入したコジョカルだが、オーロラ姫は16歳。
これが、愛嬌たっぷりで役に入り込んでいて、16歳の少女にしか見えないくらいの若々しい表現力に富んでいた。
ちょっと役に入り込み過ぎの嫌いもあったが、観客が引くほどでは無いので、これは紙一重だと思った。
不思議な魅力のあるダンサーだ。
4人の王子に代わる代わる手を取ってもらいながらの最初のアチチュードのバランスでは、手を上げたまま2秒ほど静止して、次の王子の手を取っていた。
が、3人目の手を取る前に、再び手を上げて静止して、アチチュードのバランスを止めた。
なんでだ…?2人で終わりだなんて。
そしてアチチュードでの王子達と代わる代わるのアチチュード・プロムナードの連続。こちらは3人と決めていた。本来は4人と決めるはずなのに。
ただ軸足と逆の足の角度は絶妙に美しい位置にある。
ジュテでは女性ダンサーとしては高い跳躍をするので、すごいと思った。
それに躍動感もある。
それと、なんだろう、技術が高いだけのダンサーなら、コジョカルよりも良いダンサーがいるのだが、コジョカルの愛らしい表現力の抜きん出た魅力。
もっと観て見たいと思った。

《チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ》
ローレン・カスバートソンとワディム・ムンタギロフのパ・ド・ドゥ、この演目、バランシンの作品の中でも特に好きだな。
アントルシャやブリゼやパ・ド・ブーレなどの小技も丁寧で綺麗だったし、ジュテやリフトの大技も、すごく良かった。連続する妙技の美しさに固唾を呑んでいた。
技術の高さでだけで言えば、女性ダンサー3人の中ではカスバートソンが一番良かったと思う。

《レ・リュタン》
そして前半の最後の作品、これが始めて見る演目で脱帽した作品。振付はヨハン・コボー。
この演目だけ生演奏。ヴァイオリンはチャーリー・シエム、まだ若いソリストで演奏評価も高く、また観客へのサービス精神も高く、ロンドンでもロイヤルバレエ団との競演で、好評を得ているいるらしい。
このヴァイオリンがまたヴィルトゥオーソの連続!最初の1~2秒は演奏のレベルの高さに圧倒されヴァイオリンに目が行ったが、どうしてどうして、スティーブン・マックレーがヴィルトゥオーソのヴァイオリンに合わせて、ヴィルトゥオーソのバレエを踊って答えているでは無いか。お得意のタップダンスを取り入れた振付。
この超絶技巧の素晴らしい事、この上無い。生き生きとした楽しそうな表情から、次々と繰り出される早技に、すっかり見入ってしまって、 瞬きも忘れてしまった。最初のヴァリアシオンが終わった瞬間に思わず自然と「ブラボー!」と叫んでしまった。
いや、オイラだけで無く、何人もの人が大歓声を送っていた。
この後、セルゲイ・ポルーニンが出てきて、マックレーと対決。
そしてコジョカルも登場してパ・ド・トロワ。
これは、天晴れ!
とにかく技巧ではマックレーが抜きん出て素晴らしかったけれど、コジョカルもポルーニンも、もちろん素晴らしくて、圧巻の演技。
休憩になっても拍手が鳴り止まず、まだ終演でも無いのに、何度もカーテン・コールが続いた。
これはすごい作品だ!
高い技術を持ったヨハン・コボーの振付だから、ここまでの振付が出来るんだろな~

《エチュード》
休憩をはさんでエチュード。こちらも未見の作品。
コール・ドは我らが東京バレエ団で、高村順子と佐伯知香もソリストで出演。
エトワールは、アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー、スティーブン・マックレー、セルゲイ・ポルーニン
これが、すごく良い作品。
最初はコール・ドがバーレッスンをしているシルエットから始まる。
東京バレエ団のコール・ドは世界一美しいと思う。
ドゥーブル・トゥール・アン・レールをあんなに絶妙なシンクロでこなすバレエ団、ちょっと他じゃ見つからないと思う。ピッタリとあったコール・ドの美しさは、それだけで完璧な芸術作品だ。
バレエの魅力がギュッと凝縮された作品で、最初はゆっくりアダージオが繰り返される。大技は、ところどころに挿入している。
アダージオではコジョカルが表のグラン・パンシェしながらプロムナードで2回転していたのには度肝を抜かれた。
正直、アダージオの部分は熱心に見ていたのは、オイラみたいなバレエ・マニアくらいなもので、寝てしまっている人も散見されたので、バレエ・マニア以外でも飽きさせない工夫は作品としては必要だと思ったのは事実。
そして、だんだんと音楽がクレッシェンド、アクセルランドし激しくなって行き、バレエ団の動きも躍動しだす。コール・ドのジュテの繰り返しの後、またコール・ドの女性が出てきて、今度はシェネで移動していると、最後の人だけ、シェネが高速回転!コール・ドに混ざってコジョカルが踊っていたのだ。呆気に取られる憎い演出で観客からも歓声が。
最後のアレグロでは、どっかんどっかん大技を披露。ポルーニンが続けざまにドゥーブル・トゥール・アン・レールを4回も連続でタッタッタッタとステップを踏むようにヒョイッと決めていたのは奇跡だと思った。
マックレーのキレのある躍動感からも目が離せない。
コジョカル、マックレー、ポルーニンのマネージュを描くジュテの素晴らしい事素晴らしい事。
これはスゴイ作品だ!
珠玉の秀作、すべてに置いて完璧な作品だ。
けっこう長い作品で、コール・ドもソリストも、ずっと踊りっぱなしで小技も大技も、神経とずば抜けた体力の要する作品。これが、本当に素晴らしかった!
最後は万雷の拍手と大歓声が鳴り止まず、明るくなってからも、カーテンコールが続き、カーテンを開いたり閉じたりを10回くらいは繰り返していたと思う。
 
良い公演が見れたな♪

アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト

Aプロ

《ラリナ・ワルツ》
振付:リアム・スカーレット
音楽:チャイコフスキー

アリーナ・コジョカル
ローレン・カスバートン
ロベルタ・マルケス
ヨハン・コボー
スティーブン・マックレー
ワディム・ムンタギロフ
セルゲイ・ポルーニン

《ゼンツァーノの花祭り》
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
音楽:エドヴァルド・ヘルステッド ホルガー・シモン・パウリ
ロベルタ・マルケス
ヨハン・コボー

《眠れる森の美女より、ローズ・アダージオ》
振付:マリウス・プティパ
音楽:チャイコフスキー
アリーナ・コジョカル
ヨハン・コボー
スティーブン・マックレー
ワディム・ムンタギロフ
セルゲイ・ポルーニン

《チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ》
振付:ジョージ・バランシン
音楽:チャイコフスキー
ローレン・カスバートソン
ワディム・ムンタギロフ

《レ・リュタン》
振付:ヨハン・コボー
音楽:チャイコフスキー
アリーナ・コジョカル
スティーブン・マックレー
セルゲイ・ポルーニン
ヴァイオリン:チャーリー・シエム
ピアノ:高橋望

《エチュード》
振付:ハラルド・ランダー
音楽:カール・チェルニー クヌドーゲ・サゲル
エトワール:
アリーナ・コジョカル
ヨハン・コボー
セルゲイ・ポルーニン
白の舞踏手:
高村順子、佐伯知香
東京バレエ団