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ロシア国立ボリショイ・バレエ《スパルタクス》を見に、名古屋の愛知県芸術劇場まで見に行った!

名古屋のオペラハウスは初めてなので、楽しみにしていた。
テレビ塔を正面にした目抜き通り沿いにあり、外観も壮麗な現代建築で、なかなか立派な建物。
中のホールもファサードも丁寧に出来ているのに、ホワイエが狭くて安っぽいのだけは残念だった。
もう若干、広くて綺麗だったら良かったのにな~。
幕間は、どこで飲み物が買えるか分からなかった。どうやら3階R列側にカフェがあったようだ。なんでそんなところにあるんだろ?
でも、良いオペラハウスだと思った。

華のお江戸・東京から、わざわざ名古屋のオペラハウスを見るために来た訳では無い。

今回の目的は、なんと言ってもロシア殿堂のボリショイ・バレエの来日公演を見るため。

1年ちょっと前に本場のロシア・バレエ双璧バレエ団、マリインスキー・バレエとボリショイ・バレエが東京で行った合同ガラを見た時。
もう、どのダンサーも凄まじ過ぎて、圧倒されてしまったけれど、中でも際立って素晴らしかったダンサーがイワン・ワシーリエフ。
その時は《パリの炎》からパ・ド・ドゥを披露したが、今でもワシーリエフのヴァリアシオンの奇跡的な卓越した妙技を忘れられず、すっかりファンになってしまった。

後にも先にも、不世出のダンサーだと思う。

ドゥーブル・トゥール・アン・レールの時、驚くほど斜めにジャンプする。ピルエットは踵を床に着けないで10回転。ピルエットのディカブルなんて考えても見れば、ワシーリエフ以外で見た事が無いかもしれない。ジュテやスーブルソーなどのジャンプの跳躍の高さと距離。アンシェヌマンの滑らかかつ的確で豪快な動き。片手でヒョイと女性ダンサーをリフトする力強さ。
容姿にしても、バレエ・ダンサーで、こんなにも男くさい雰囲気のダンサーは珍しい。

この作品の振付家グリゴローヴィチ大先生は、「スパルタクスはワシーリエフからワシーリエフに受け継がれた」とワシーリエフに言ったそうだ。
そう、往年ダンサーのウラジミール・ワシーリエフが好演した役を、たまたま同姓のワシーリエフが受け継いだのだ。(親子関係でもなければ親戚関係でもない赤の他人)

しかしイワン・ワシーリエフの方が数倍は素晴らしいとさえ思ってしまう。

ハチャトゥリアンの激しい音楽と合わせて、乱舞する勇壮なコール・ド。
バレエと言うと、女性ダンサーがトコトコとポワントで歩くだけのものと思っている人には、バレエの概念を根底から覆してしまうほどの、電光烈火のごとき印象を受ける名作だ。

主人公はワシーリエフ演じるスパルタクスを中心に妻のフリーギア。
ローマ軍の司令官でスパルタクス達を捕虜としているクラッススと、その愛人のエギナ。

この4人が、ずっと最初から最後まで、ビックリするくらい見せ場のパ・ド・ドゥやヴァリアシオンを次々と繰り広げる。
他のソリストやコール・ドもレベルが頗る高く、見ている方まで、すっかり体力を使ってしまう。

ワシーリエフのずば抜けた実力もさる事ながら、フリーギア役のスヴェトラーナ・ルンキナも抜群の高い技術を持っていて良かった。

エギナ役のエカテリーナ・シプーキナも素晴らしかった。

クラッスス役のアレクサンドル・ヴォルチコフは、男くさーい感じのワシーリエフと比べると正統派ダンスール・ノーブル。
ヴォルチコフも頑張っていた。ワシーリエフと比べてしまうと、ワシーリエフの方が凄すぎるけど、比べる事自体野暮と言うもの。
見ためだけで無く演技にしても何にしてもワシーリエフとは対極の役なのだから。
なかなかしっかりした卓越した技術だったと思う。

コール・ドも美しく、高い技術を持って、迫力満点!

それにしてもワシーリエフは、やっぱり凄い!!
名古屋まで見に行った甲斐があった。

実は、ワシーリエフは昨秋にミハイロフスキーに電撃移籍してしまっていたので、今回の公演を昨春から楽しみにしていたオイラにとっては、本当に日本に来てくれるのかどうか、半信半疑だった。
ダンス・マガジン(バレエ中心のダンス雑誌)で来日の意気込みを大いに語ってくれてから、やっとチケットを取ったけど、それでも結構不安だった。

本当にワシーリエフのスパルタクスが見れるなんて良かった~!

グリゴローヴィチの大迫力の振付の躍動する世界観も本当に凄い。

音楽もさすがバレエ本場のロシア国立ボリショイ劇場管弦楽団。素晴らしかった。

この公演を見た日は、あまりに興奮しすぎて、各シーンが頭の中でぐるぐると駆け巡って、なかなか寝付けずに朝方にやっと眠りについたほどだ。

また見たいな~。
歴史に残る名舞台だったと思う。

ロシア国立ボリショイ・バレエ
《スパルタクス》
音楽 : アラム・ハチャトゥリアン
振付 : ユーリー・グリゴローヴィチ
美術 : シモン・ヴィルサラーゼ

指揮 : パーヴェル・ソローキン
管弦楽 : ボリショイ劇場管弦楽団

スパルタクス : イワン・ワシーリエフ(ミハイロフスキー劇場プリンシパル・ダンサー)
クラッスス : アレクサンドル・ヴォルチコフ
フリーギア : スヴェトラーナ・ルンキナ
エギナ : エカテリーナ・シブーリナ
剣奴 : アントン・サヴィチェフ