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新国立劇場で三島由紀夫原作の《鹿鳴館》を見た!!

新国立劇場には良く来るけど、中劇場のプレイハウスは初めて♪
今回のチケットは全部売り切れてしまったのだから、大劇場のオペラパレスでやっても良さそうなものだけれど、日本人歌手には、中劇場ぐらいが良いのかも。
中劇場と言っても、1000席以上もある劇場なので、規模は決して中規模ではない。それでも大劇場よりは歌手陣は気が楽だよね。

三島由紀夫の戯曲のオペラ化と言うだけで、ミシマ文学に毒されてしまっているオイラは、見に行くと決めてしまった。
ちなみに、世界初演のオペラだ。

全4幕で、2幕目と3幕目の間に30分の休憩がある。
と言っても、舞台セットは一貫して、回り舞台の盆の上に、円形の舞台をさらに置いているだけで、そのまま回ったり細かなセットは追加されたりするが、基本的にはまったく舞台セットは変わらない。
しかも1幕目と2幕目の間と、3幕目と4幕目の間に、幕が降りるワケでも無いので、一体、どこで幕が変わったのか分からないので、全2幕と言った方がしっくり来る。

三島由紀夫の鹿鳴館と言えば、日本を代表する名戯曲なので、わざわざ粗筋を書くのは省こう。

作曲した池辺晋一郎曰く
「オペラは、演劇-音楽ともに進行する演劇である。そしてオペラは本質的にエンタテインメントである。」と述べている。
オイラは、激しく同意する。
今回の演出は、ほとんどお金がかかっていなくて、舞台セットも最小限で、アングラな作風がする。三島由紀夫自体がアングラな雰囲気の戯曲を書くから、鹿鳴館を取り巻くミシマのアングラな世界観を、実にうまく表現していた。

前奏曲は、やや物足りないと言うか、もう少しメロディックな豪快な音楽でも良いような気がした。舞台の世界に引き付ける重要な音楽だもの。でも、終わって見れば、あの前奏曲も、それはそれで良かったのかもと思った。

1幕目と2幕目は、説明がかった茶番が多くて、ややのっぺりとしているようにも感じたが、2幕目の最後は合唱となり、印象深く終わる。

3幕目と4幕目は、とても面白く見る事が出来た。
猿の面やお多福の面を被った洋服を着た日本人が猿のように群舞しているのが、皮肉感たっぷりで滑稽だった。もし外国人の演出家だったら、こんな暴挙は出来ないだろうけど、そこは同輩の日本人演出家。まあ許される範囲だね。
群舞の際の音楽はワルツなんだけど、それも重々しくアングラな音楽がのっぺりと続いている中、ワルツだけが軽々しくファンキーな音楽で、なんだか印象付けられる。

全体的に音楽は、ワーグナーのオペラを見るような感じでもあり、おそらく音をとぎらせ無かったりするところは意識しているんだろうな。
リヒャルト・シュトラウスのような繊細な音楽に物々しい金管楽器や打楽器の轟音を挿入したりと、ドイツ・オペラを彷彿する手法。
日本のオペラは、ドイツオペラが主体のものが多いようだけど、もう少しオリジナリティを出して欲しいと思うところだが、今回の作品の音楽そのものは、素晴らしい出来であり、3幕目と4幕目の音楽には、特に感動してしまった。

そして歌手陣
大徳寺侯爵夫人の娘・顕子役の幸田浩子は、何度か生で聴いているコロラトゥーラの歌手。やっぱり幸田浩子の声って好きだし、際立って良かったと思える。見た目も可愛いし、きっと性格も良いと思うんだけど、そんな朗らかな優しい雰囲気が出ていて好きだな。
影山悠敏伯爵役の黒田博も夫人朝子役の大倉由紀枝も、演技も良く、声量も出ていて、難しいアリアやデゥオをキレイに歌っていた。歌手からすれば卓越したベテランでなければ、こなす事の難しい曲だと思う。

良い舞台を見る事が出来た!
チケットは完売してしまったし、きっと評判も良いから、再演は必至だね♪♪
正直、再演の際は一幕目は改定して欲しいと思うところ。
キレイなアンサンブルを多様するとか。作曲家の言う如く演劇色が強いけれど、やはりオペラは音楽でもある。二重唱や三重唱のハーモニーも入れて欲しいかも。

新国立劇場《鹿鳴館》 6/26 公演

原 作:三島由紀夫
指 揮:沼尻竜典
上演台本:鵜山 仁
演 出:鵜山 仁
作 曲:池辺晋一郎

企 画:若杉 弘
芸術監督代行:尾高忠明
主 催:新国立劇場

影山悠敏伯爵:黒田 博
同夫人 朝子:大倉 由紀枝
大徳寺侯爵夫人 季子:永田 直美
その娘 顕子:幸田 浩子
清原永之輔:大島 幾雄
その息子 久雄:経種 廉彦
飛田天骨:早坂 直家
女中頭 草乃:永井 和子
宮村陸軍大将夫人 則子:薗田 真木子
坂崎男爵夫人 定子:三輪 陽子
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団