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ロンドンのコヴェント・ガーデンにあるバレエの殿堂、英国ロイヤル・バレエ団の来日公演に行った♪
場所は上野にある日本の殿堂、東京文化会館♪♪
今回の演目は《うたかたの恋》英題マイヤーリング(マイヤリング)。
バレエだけで無く、映画やミュージカルにもなっている。

19世紀末のオーストリー・ハンガリー帝国の皇太子・湯豆腐…じゃない!ルドルフと男爵令嬢マリーとの心中を描いた作品。
英題のマイヤーリングは、事件の起きた地名。

振付:ケネス・マクミラン
音楽:フランツ・リスト
編曲:ジョン・ランチベリー

バレエの振付と言えば、マリウス・プティパが好きなオイラは、ケネス・マクミランの振付は、優雅さや華麗さに欠ける気がして、なんとなく苦手だったけど、やっぱり生で見ると苦手意識も払拭されて、すごく感動した!!

《うたかたの恋》は、日本では23年ぶりの公演で、映像化も最近になってDVDが出たばかりなので、オイラは当然ながら初見。23年前じゃ、生まれて無いもの(と、ちょっと年をさば読んでみる)

最初は「あ~ロメオとジュリエットね…。」と思って見ていた。当然ながらロメオとジュリエットの振付もマクミラン版が有名なので、類似点は多い。

一幕目は吹雪の中の殺伐とした幕開けで、その後の悲劇を暗示するが、次の幕では華やかに皇族や貴族達が行進したりダンスを踊ったりしている。そうそこは、ルドルフ皇太子とステファニー王女の結婚式。
貴族達が威風堂々と出てくるシーンなんか、ロメオとジュリエットを彷彿とさせた。

皇太子は悪酔いして、王女の妹と踊る。
それを不安気に見つめる王女。
王女は侍女達に励まされながら、初夜の支度を始める。
そんな王女は、さっきの不安気な様子とは打って変わって、少女のように浮き浮きしているようにも見える。

ここで一幕目の、ハイライトのパ・ド・ドゥが始まる。
やっと入って来た皇太子は王女のコメカミに銃を突きつけ怯えさせ、空中に向かってパンと打つ。
怖がる王女に髑髏を持たせる。

王女は怯えながらも、皇太子とパ・ド・ドゥを踊る。
このパ・ド・ドゥがダイナミックで、皇太子は王女を高くリフト・アップし、そしてまるで物でも扱うように振り落とすような様子。
王女は必死で皇太子の胸に飛び込もうと、何度も近づき、そして振り落とされる。

ここで、ロメオとジュリエットのラスト・シーンを思い出す。仮死状態のジュリエットとロメオがラストでパ・ド・ドゥを踊る。そのパ・ド・ドゥと、今回のリフト・アップして突き落とすシーンが似ている。

ロメオの演技には愛情や悲しみがドッとこぼれだしているのに対して、皇太子は冷徹で王女にまったく無関心。
そしてベッドに押し倒して。一幕目の終幕となる。

こんな難易度の高いパ・ド・ドゥを踊ってしまうのだからすごい!
一歩間違えたら大変な事になるような振付じゃないのかな?
演技とは反して、お互いの絶対の信頼関係が無いと踊れないパ・ド・ドゥだと思う。

二幕目は、娼館で開幕する。
皇太子と王女が変装してお忍びでやって来たワケだが、もちろん王女はムリヤリ連れて来られた。ステファニー王女は嫌気が差して一人で帰ってしまう。

皇太子は、愛人の高級娼婦ミッツィ・カスパーとパ・ド・ドゥを踊る。
王女の前で高級娼婦は、これ見よがしにパ・ド・ドゥを踊るが、皇太子が一緒に死のうと言うと、あっさり断ってしまう。

そして幕が変わり、男爵令嬢マリーの母親が、こっそりマリーの恋文を皇太子に渡す。

皇太子の部屋に訪れた男爵令嬢は、コートの下が寝巻きと言う大胆さで、皇太子を当惑させる。
そして皇太子の持っている銃や髑髏に興味を示し、皇太子のコメカミに銃を突きつけ、空に向かって撃つ。
まるで、一幕目の立場が逆転したよう。

最初は怯えた皇太子も、銃を取り戻して平静に戻る。そして、またマクミラン特有の難易度の高いダイナミックなパ・ド・ドゥを披露する。その美しい事。ひやひやする事。

そして、熱いほどの情熱的に愛を表現する男爵令嬢に心を動かした皇太子は、エロチックに体を重ね合わせ、接吻する。

情熱的ではあるけど、なんとなく美しく凄惨な破滅に向かう雰囲気の中、二幕目が終わる。

三幕目では、王女や愛人達や、そして父である皇帝や母の皇后との軋轢や、政治的な板挟み、皇太子の闇の部分が浮き彫りになり、序々に、そして確実に精神を病んで行く。友人を銃で撃ってしまうシーンでは、華やかな音楽の中の突然の銃声に、観客も度肝を抜かれてしまう。

皇太子は、男爵令嬢に心中を持ちかける。快諾する男爵令嬢。
衝立の向こう側の観客から見えない所で、男爵令嬢を撃ち殺す。

そして、銃声を聞きつけた人たちを追い払い、また衝立の向こう側で、銃で自殺をする。

衝立が倒れ、観客席から、やっと衝立の向こうの様子が見える。

男爵令嬢は祭壇のようなものの上にキレイに寝そべって死んでいるが、皇太子は苦しんで死んだようにも見え、
また、ロメオとジュリエットのように、仲良くくっ付いて死んでいるのでは無く、観客から中が見えないように配置されていた衝立を倒して、死んでいるので、男爵令嬢とも離れてしまって、結局、死ぬ時も孤独であった事を示唆しているようにさえ思える。

凄惨な死体現場を発見して慄く人たち。

死による開放を臨んでいた皇太子は、本当に解放されたのだろうか?
一緒に死んだハズの男爵令嬢とも、対蹠をなすように死んでしまうなんて、悲しくもあり複雑な心境になってしまう。

そして、冒頭の吹雪のシーンに戻る。そこは吹雪の中の墓場だった。

もし、バレエにヴィルトオーソ(超絶技巧)と言う表現をしても良いのなら、まさしくヴィルトオーソの多用された難易度の極めて高い振付だった。
英国ロイヤル・バレエは世界三大バレエ団に数えられるだけあり、本当にすごいバレエ団だ。
ルドルフ皇太子役のエドワード・ワトソンは、本当に素晴らしかったし、マーラ・ガレアッツィもイオーナ・ルーツも素晴らしかった!


英国ロイヤル・バレエ団《うたかたの恋》
来日公演

振付:ケネス・マクミラン
音楽:フランツ・リスト
編曲:ジョン・ランチベリー

東京文化会館
2010年6月24日

ルドルフ:エドワード・ワトソン
(オーストリア=ハンガリー帝国皇太子)
男爵令嬢マリー・ヴェッツェラ:マーラ・ガレアッツィ
(ルドルフの愛人)

ステファニー王女:イオーナ・ルーツ
(ルドルフの妻)

オーストリア=ハンガリー帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ:ギャリー・エイヴィス
(ルドルフの父)

エリザベート皇后:タラ=ブリギット・バフナニ
(ルドルフの母)

伯爵夫人マリー・ラリッシュ:サラ・ラム
(皇后付きの女官、ルドルフの元愛人)

男爵夫人ヘレナ・ヴェッツェラ:エリザベス・マクゴリアン
(マリー・ヴェッツェラの母)

ブラットフィッシュ:ブライアン・マロニー
(ルドルフの個人付き御者、人気者の芸人)

ゾフィー大公妃:ウルスラ・ハジェリ
(フランツ・ヨーゼフの母)

ミッツィ・カスパー:ラウラ・モレーラ
(ルドルフの馴染みの高級娼婦)

ベイミードルトン大佐:平野亮一
(エリザベートの愛人)

四人のハンガリー高官:セルゲイ・ポルーニン、ヴァレリー・ヒリストフ、蔵健太、トーマス・ホワイトヘッド
(ルドルフの友人)

カタリーナ・シュラット:フィオナ・キム
(独唱)

アルフレート・グリュンフェルト:ポール・ストバート
(ピアノ独奏)

エドゥアルド・ターフェ伯爵:アラステア・マリオット
(オーストリア=ハンガリー帝国の首相)

ホイオス伯爵:ヨハネス・ステパネク
(ルドルフの友人)

ルイーズ公女:ロマニー・パジャク
(ステファニーの妹)

コーブルグ公フィリップ:デ