~まちづくりとは どこかの「真似をする」のではなく、これまでの「常識を疑う」事である~
[著]木下斉
2018年04月17日
■『どこかの真似をするのではなく、これまでの常識を疑う』
現代に生きる人々がその『戦略』と『覚悟』に触れた時、今日から本気になれるのか?
現在地方都市の中でも一番勢いが言っても過言ではない福岡市。その秘密にいま迫る。今更、都市経営なんてと思ってる方にこそ読んで欲しい一冊である。 本書の著者『木下 斉』は東京都生まれ。高校在学中に早稲田商店会の活動に参画。出身会社の社長に就任した。2009年一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスを設立。その後、内閣官房地域活性化伝道師に就任。『これまでの常識を疑い、”ネアカ”な姿勢で戦略を考え続ける』地方都市を題材に書かれてある本書であるが、現代社会に生きる人材にとって大事にしなければならない内容が詰まりに詰まっていると感じた。歴史に学び今の世の中を生きなければ発展はない。そんな声がヒシヒシと伝わってくる内容であった。
自分たちは『当たり前』の世の中に生きている。社会に流され、人に流されその当たり前を疑うことは至難の技である。戦後、福岡市は地方に比べ水不足、第二次産業の発展の寄与を受けることができなかった中間都市であった。そのため制限が否応に発生し、その弱みを打開できずにいた。他の地域に遅れをとっていたのだ。ではなぜ今これほどまでに人口、教育、密度、、産業、投資というあらゆる面でアジアの中で第一位を記録する都市にまで成長することができたのか。そこには長年の先人達の『当たり前を疑い、ネアカな姿勢』が隠されていた。
『弱みを強みに変換して来た』福岡市はまさしく弱みだらけの地方都市であった。その当たり前を先人達は『常に諦めない姿勢』で変えようと尽力して来たのだ。
常にポジティブに前を向き、限られた制限の中でどう知恵を絞り、その後の戦略を練って来たか。その知恵の集大成がこの福岡市である、地方都市の発展は今すぐには成り立たない。公民、民間、市民が一つの目標に本気で迎えて初めて成り立つものである。つまり、長期的に考え、戦略を諦めずに練り続けてきたのだ。今の社会では近視眼でものを見がちである。そんなことよりより長期的視点で物事を捉える姿勢が、我々には求められているのではないだろうか。
『暗く沈んだ人、無理な理由を並べる人の周りには活力あるヒト・モノ・カネは集まらない』都市=人材という風にみても全く遜色なくこの言葉を受け入れることができるのではないだろうか?
『これまでの常識を疑い、”ネアカ”な姿勢で戦略を考え続ける』
歴史に学ぶこれからの時代に必要な人材について説いた全く新しい視点からの価値観である。
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PHPエディターズグループ・1600円。18年3月2日刊行。
著者:木下 斉氏


