10月28日(土) 神保町研鑽会 | 江戸流手打ち蕎麦 鵜の会

ようやく暑くも寒くもない気持ちの良い季節になったと思ったら、気づけばもうすぐ11月。今年もあっという間に過ぎていきそうです。

 

さて、今回のそば粉は福井の橋詰製粉。新蕎麦は来月からということで残念ながら今回は新蕎麦ではありませんが、十分に香りがするおいしい蕎麦でした。

 

■企画1 データ測定

今回は、ただ漫然と打つより1つ1つの工程を意識してフィードバックすることを目的に、何名かの方に協力いただき蕎麦打ち途中の各工程でサイズを定量的に測ってみようという企画を研鑽部の方で立てました。

 

これがそのシートです。

 

測定風景。

記録する方も急いで測ったり写真を撮ったりと忙しい。

ここで打っているのは加藤さん、記録は藤田さん。

結果は別途本人に報告予定です。

 

■企画2 田中名人による個人レッスン

今回は私森田にお呼びがかかり、ありがたく受けさせていただきました。名人から直接最初から最後まで指導を受けられる機会はそうあるものではないので、大変貴重な経験でした。

 

大勢の有段者ギャラリーに見られながらの蕎麦打ちは段位認定とはまた違う緊張感があります。

 

■教えて田中名人

蕎麦打ちが上手でもなかなか教えてくれなかったり、上手な人が必ずしも教えるのがうまいとも限らない中で、田中名人は誰にでも積極的にポイントを教えてくれるので本当にありがたいです。撮影できた範囲でご紹介します。

 

三宅さん 「麺棒は平行なままでも歪は直せるよ」

 

金子さん 「体が離れてるから前かがみになっちゃう」

 

人見さん 「麺棒を手前に引いて、これから延すところに打ち粉を振るの」

 

島津さん 「麺棒傾けないで麺線揃えた方が延しムラになりにくい」

 

伊澤さん 「歪を直したいところを10時10分に持ってくる」

 

松崎さん 「端に肉があるからまだ十分に角の補正ができる」

 

鵜澤さん 「後ろから見ると斜めだろ?」「斜めですねー。。」

 

 

■その他の方々

松田さん 四つ出しで歪みましたが肉分けで修正。

 

川上さん 岩崎さんから水回しのアドバイス。「細かい乾いた粉が下に沈むのでそれを上に持ってきます」

 

いつも研究熱心な安原さん(右)

 

友山さん 「ここ直さないと~」山口さんから厳しい指導が。

 

岩田さん 切り揃えがきれいに揃っています。

 

斎藤さん きれいな丸です。

 

岩崎さん 体幹も肘もまっすぐで体重が乗っています。

 

■試食

今回の試食打ちは、金子さん、島津さん、井澤さん。打った人が釜も担当するルールです。右が金子さん、左が島津さん。たまたまですが、金子さんは細め、井澤さんは太め、島津さんはその間ということで太さによる食感の違いを堪能できました。

その他の方は写真撮ってません。スイマセン。

 

蕎麦が茹で上がる前に、段位認定試験結果の報告。

まずは初段合格、三宅さん。おめでとうございます!

 

三段合格の井澤さんは残念ながら別件のためお昼前に帰られたため不在。

 

四段合格の松崎さん、おめでとうございます。なお、私森田も一浪の雪辱を晴らして合格しました。ぶっちぎりの成績で合格するはずが、四つ出しが( ゚д゚)こんな感じになってしまい全然余裕がなかったのは秘密です。。

 

岩崎さんは言うまでもなく四段合格です。

ちなみにこれは松本の信州そば打ち名人戦の報告&おみやげの場面です。決勝まで進みましたが惜しくも入賞には至らず。ちなみにこの信州名人戦の1週間後が四段の認定会(@寄居)でした。ハードスケジュールかつ全く違う粉と量でも結果を出せてすごいですね。

 

参考までに四段の受験会場(埼玉県農業団体教育センター@寄居)です。10/14(土)が岩崎さん、10/15(日)が松崎さんと私でした。(まさかの五十音順。。)

見学の女性陣。左から藤田さん、塩田さん、人見さん。

 

こちらも参考に信州名人戦決勝。左手前が岩崎さん

 

■今回のベストショット

「厚みが均一じゃないよ!」「えー、結構きれいと思ったのに~」 (前にもこんな風景があったような)

 

■おまけ 数字で蕎麦打ち

すべて感覚でわかるような天才肌でない私は、なんとか上級者の感覚を数値化して凡人でも再現性が高くできないかいつも考えております。このコーナーではそのような小ネタを紹介していこうと思います。「知ってるよ」な方は飛ばしてください。

 

第1回は「畳みの丁半博打」です。

皆さんは最初の畳みのとき(↓)に上の麺帯が短くなったり長くなったりして博打のようになっていたりしないでしょうか?

実は麺帯をほどいていく時に、麺棒をほどく位置は簡単にわかるのです。

 

巻いているのがΦ30mmの麺棒なら、その円周は

30mm✕3.14=94.2mm。半周だとその半分なので47.1mm、

約5cmです。

 

つまり麺棒の真下に麺帯の端が来るまでほどき、端にしたい位置の5cm手前から麺帯をほどけば良いことになります。

ちなみに5cmがどのくらいかというと、単3電池の高さが約5cmです。(50mm幅の養生テープ等の方がわかりやすいかもしれません)

 

もしΦ28mmの麺棒なら、

28mm✕3.14÷2≒44mmとなります。

(これは奇しくも単4電池の高さとほぼ同じです。)

 

 

これで丁半博打とはおさらばです。ただし、上の麺帯が長くなってしまったときはこの技は使えないのでご注意を。

 

 

では次回研鑽会でお会いしましょう!