“ポイズンドーター・ホーリーマザー”
久しぶりの読書感想文です。
そして、読んだ本は久しぶりに湊かなえです。
“ポイズンドーター・ホーリーマザー”です。
湊かなえ作品は“告白”を含めて過去3〜4作読んでるんだけど、久しぶりに本屋で手に取りました。
前に一緒にレギュラーで仕事してたアナウンサーの武藤乃子さんから勧められたのと、4歳上の司書をしてる姉貴がSNSで勧めてたのでこりゃ読まねば!という事で読んでみました。
全て女性が主役の短編6本なんだけど、まぁ〜大人の女性が勧めるだけあって、どれも女性の矜持や嫉妬、ドロドロとした感情、人間の怖さなんかが描かれてて読み応えあり。
中でも、表題作にもなっている“ポイズンドーター”と“ホーリーマザー”という2つの作品。
ポイズンドーターは娘から見たら母親の姿を描き、逆にホーリーマザーでは母親から見た娘の姿を描いてるんだけど…
まぁ〜親子とはいえ、なかなか想いってのは伝わらないもんだねぇ〜。
良かれと思ってやっている事が娘には負担や重荷になり被害者になるんだけど、母親の真意は理解できたり…と、なんか世相を斬ってる感じはあるね。
しかし、このすれ違い面白いんだけど、娘が小さい頃から大人になるまでという長いスパンだから、パチンっていう爽快感はないんだよね。
やんわり、じっくりすれ違っていく感覚。
俺は“告白”のお母さんと息子のすれ違いが秀逸過ぎて、そっちの方が好き。
息子の一挙手一投足に母親が勘違いをして、ぶっ壊れていく。
しかし、それには息子なりの考えがあって、どっちも悪くないのに最悪のパターンになる。
思い出しただけでも、凄い作品だと思うわ。
とは言え、やはり湊かなえ得意の一人称は読みやすいし、上手だし、女流作家ならではの心を抉ってくる感じは痺れるね。
男性作家は、やっぱりどこかロマンチストだからね。
大人の女性にオススメの作品です。
もしよかったら、読書の参考にしてください。