“最後のトリック” | 江戸むらさき 野村オフィシャルブログ『Men's クラブ』powered by アメブロ

“最後のトリック”

今回の読書感想文は、読書好きで本屋によく通う人にはかなり参考になるブログだと思いますよ。


読書好き…いや、ミステリー好きにとっては、気にならない訳がない本です。


今回ご紹介するのは…




深水黎一郎の“最後のトリック”です。

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まっ、最後のトリックとはなんぞや?


何が気になるのか?


その答えは本の帯にあります。





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そう“読者が犯人”という究極のトリックに挑んでる作品なのです。


本作中にもあるけど、老若男女、どのタイミングで読んでも、誰が読んでも、翻訳されて外国人が読んでも、今だけじゃなく何年後何十年後によんても納得させなきゃならない。


その壮大なテーマに挑んでます。


作品の主人公は、物書きの“私”。


新聞の連載を抱える“私”に突然、知らない名前から手紙が来る。


“読者が犯人の究極のトリックを私は持っている。そのアイデアを2億円で買ってくれ”


との内容。


反応をしない主人公に、2通目、3通目と手紙が寄せられる。


それに対する読書好きの親友や、主人公が訪れた超能力の権威の実験など、様々な方向から物語が進んでいく。


果たして主人公は2億を払ってそれを作品にするのか?


いや、そもそも“読者が犯人”は成立するのか?



といった内容です。



そもそも、物書きが主人公の作品が好きじゃない、俺。


芸人のコントで芸人の役をやるのが好きじゃないのと一緒です。


しかし“読者が犯人”というスーパー魅力的なモノがあるから、読み進めた。


読み終わった後に…


“ハァ~確かに俺が犯人だ”


と思うかどうかなんだけど、結論…










いや、特にそうは思わないけど…。



でした。


一応、辻褄は合ってるし、読んでる人が犯人って事になってるんだけど、なんか特殊なんだよね。


つーか、全編通して、結果、凄い特殊です。


読んだ後に“やられた!”とか“どっひゃ~!”にもならなかった。


犯人が予想外っていうなら、貫井徳郎の“乱反射”のが好きだね。


筋は通ってるから、沢山読む本の中の一冊っていうなら良いと思います。



よかったら、読書の参考にしてください。