“諸葛孔明 対 卑弥呼”
買っちゃったよぉ~。
B級感を一切隠そうとせず、いやむしろ全面に押し出している潔さ。
散々悩んで、売り場の前を行ったり来たり、さらに悩み抜いた結果、後日買っちゃいました。
今回紹介作品は、面白そうだけどつまんなそう。つまんなそうだけど面白そうな…
町井登志夫の“諸葛孔明対卑弥呼”です。
B級感を一切隠そうとせず、いやむしろ全面に押し出している潔さ。
にも関わらず、文庫本で920円という高さ!
もうね、ハッキリ言うよ。高い‼︎
ムカつくけど、ほっておけない悪女のようなこの本。
三国志に登場する蜀の天才軍師・諸葛孔明。
邪馬台国を治めた女王・卑弥呼。
この二人の対決を描いた作品なんだけど、まず諸葛孔明というよりは卑弥呼がメイン。
いや、卑弥呼がメインというよりも、奴国の王子・難升米(ナシュウ)目線で進んでいく。
まず赤壁の戦いで諸葛孔明の策によって惨敗した曹操は、同じように奇術を使う卑弥呼に目を付ける。
一方、倭国(日本)では奴国、末廬国、伊都国、投馬国、邪馬台国など30の国が成り立ち均衡を保っていた。
その中でも卑弥呼率いる邪馬台国が、徐々に精力を伸ばす。
曹操の代での卑弥呼召喚は叶わなかったが、息子の曹丕が卑弥呼と共に諸葛孔明を倒そうと対決する。
その中で、諸葛孔明が地面に穴を掘って敵陣の真っ只中に兵を出現させたり、現代で言うエレキギターを掻き鳴らしたり、かと思えば卑弥呼が石油で馬謖の陣を丸焼きにしたり、逆に趙雲の陣に穴を掘って兵を出現させたりと、奇策vs奇策な感じ。
奇策なんだけど、意外に呪術とかではなく科学的根拠のある技を繰り出してる。
意外と言えば、諸葛孔明の柄が悪いのよ。
色んな漫画や小説を読んだけど、そんな諸葛孔明の描き方は初めて。
イメージとして“張飛”みたいな感じ。
スマートでスタイリッシュなインテリじゃなく、乱暴で口の悪い下町育ちだね!
それなりに楽しめたけど、あくまで“それなり”です。
読後も920円は高かったなと思うし、最後はアッサリでどちらが勝ったとか負けたとかは無い、大人しい終わり方。
でも、いつも読んでるのと雰囲気が違って読んで良かったわ!
つーか、後から知ったんだけどこの作者の別の作品で…
“爆撃聖徳太子”
ってのがあるらしい。
それの方が強く惹かれるわ…。
よかったら、読書の参考にしてください。