“百年法” | 江戸むらさき 野村オフィシャルブログ『Men's クラブ』powered by アメブロ

“百年法”

ずっと気になってたけど、分厚いしハードカバーだとお高いから、後回しになっていたのが、今回ご紹介する作品。


上下巻セットで古本屋にあったから、迷わず購入いたしました。


今回は…


山田宗樹の“百年法”です。

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えっと、毎回読書感想文ではあらすじを説明するんだけど、とにかく分厚い上下巻で登場人物も多いし、話が何年かに渡ってだから、細かく説明できない。

だから、ざぁ~っくり説明するね!


“ヒト不老化ウィルス”ってのが発見されて、その治療を受けると治療した時から不老不死になる世界が舞台。

でもそうなると人口が爆発的に増えてしまい何かと不都合が起きる為、その治療が始まる時に政府は“生存制限法(通称・百年法”ってのを制定した。

要はヒト不老化ウィルス(HAVI)の処置を受けてから100年後には、安楽死してくださいね、っていう法律。

そのHAVIを受けた初年度の人たちに対して、百年法が実施される前の政府はどう円滑に事が進められるか?で頭を悩ます。

その中心にいるのが、内務省生存制限法特別準備室室長の遊佐章仁。


んで、百年法をこのまま実施するか、一旦凍結させるかで国民投票が行われたり、後に百年法が実施されたにも関わらず、逃げ回る“拒否者”の話になったり、その拒否者達が集まりテログループを組織して、その中心人物の“阿那谷童仁”の話になったり、まぁ~奥深い話になっていく。


簡単に説明するとそんな感じなんだけど、なんとなく伝わったかな?


で、感想なんだけど…





すげぇ~面白い‼︎‼︎‼︎


なんとなく百年法のあらすじは知ってたんだけど、百年法は絶対でそれに対する家族、恋人、友達の悲しくも温かい別れの話がメインだと思ってた。


もちろん、そうゆう話も散りばめられてるんだけど、百年法をするかしないか、それによって自分の政治生命がどうなるか?の政治家目線の話がふんだんに入ってるから、そりゃ厚みも増しますよ!


保身の為に動く者、このままでは自国が腐敗していくと百年法を待たずに自殺する者、その意思を継ぐ者、ゴタゴタに乗じて権力を握ろうと画作する者、とにかく色んな人がいて面白い!


さらには、日本とはちょっと違う“日本共和国”で尚且つ近未来の話だから、大統領がいたり“アイズ”と呼ばれるメガネタイプの端末があったり、無人の乗り物“カップ”があったり、飽きさせないのよね。


そして国民投票になってら、俺はどっちに投票しよう?とか50も60も年が離れていても見た目は同級生くらいの異性(HAVIは20歳から受けられる)とどうゆう感情が芽生えるんだろ?とか、元気で全くの健康体の知り合いが百年法によって明日死ななければならないとか、色々自分なりに考えさせられたりするから、読む手が止まらない。


これは是非、読んでほしいね!


そして、映像化は是非、止めてほしいね!


なぜなら、登場人物のほとんどがHAVIを受けているから、全員見た目が若い!


故にイケメン俳優とかアイドルちゃんばっかのキャスティングになっちゃうだろうから、なんか違うものになっちゃいそう。


まっ、俺がギャーギャー騒いでもなる時はなるし、ならない時はならないんだろうけどね。


こんな分厚い本なのに、一回も中だるみ無く読めました。



よかったら、読書の参考にしてください。