“リターン”
続編が出てると、前の作品をそんなに覚えてなくても買っちゃう傾向がある。
まっ、今回は前作のインパクトが強かったから、即買いでした。
五十嵐貴久の“リターン”です。
五十嵐貴久は、面白い作品を何冊も世に送り出してる。
交渉人、Fake、誘拐、ポップなところで言うと“パパとムスメの7日間”だね。
どれも緻密な計算があって、面白い。
今回の“リターン”は続編なんだけど、何の続編かと言うと…
“リカ”。
このリカはとんでもない怪物で、常軌を逸した執拗なストーキング、本間を手にいれる為ならば人も殺す。
その狂気に追い詰められた本間は、ついにリカと対峙する…。
んで、こっからはネタバレなんだけだ…
結局、本間は麻酔を打たれ生きたまま、両手、両足を切断され、目、鼻、耳、舌を切られ、生かされたままリカのモノになる。
そんな壮絶なエンディング。
そりゃ嫌でも覚えてるわな。
そして、今回の“リターン”に繋がる訳ですよ。
リターンの始まりは、そんな出来事があった10年後。
山道に捨てられていたトランクの中から、手足、目、鼻、耳、舌の無い本間の死体が見つかる事からスタートする。
リカ事件を追っていた菅原刑事は、事件を目の当たりにして狂って廃人になってしまっていた。
その後輩のコールドケース事件を担当する梅本尚美は、なんとしてもリカを自分の手で捕まえたいと燃える。
本間を失ったリカは、新たに自分の思いのままになる相手を探し、出会い系サイトに現れる。
それを独自で追っていた奥山刑事もまた、リカの手によって殺されてしまう。
果たして、リカを捕まえる事ができるのか?
いやぁ~、説明すんのにすげぇ時間かかったな。
とにかくリカの圧倒的な狂人さは、かなり引き込まれるね!
ビジュアルは背が大きく、長い髪。
黄ばんだブラウスに青のカーディガン、花柄のロングスカート。
目も鼻も口も大きい狂った女。
漫画で言うと望月峯太郎の“座敷女”みたいなイメージ。
そんなリカの気持ち悪さであったり、恐ろしさが全体的にあって、秀逸なのは…オチ!
最後の最後に“ゾワゾワゾワァ…。”って、背筋凍る勢いあったわ。
“スッキリする”とか“納得する”とかとは全く異質のオチ。
こえぇぇぇぇぇぇ~‼︎
だね!
お話的には素晴らしいオチでした。
怖いのとか好きな人は、まず“リカ”を読んで、異常さをしっかり理解した上で、この“リターン”を読んでみてね。
よかったら、読書の参考にしてください。