“弥勒の掌”
“読書の秋”というと優雅が感じがするけど、俺は週一ペースで本を読み、年間48冊を目標にしてるから、優雅どころか常に締め切りに追われています。
そんなセカセカしながらも読んだ今回の本は…
我孫子武丸の“弥勒の掌”です。
期待値高く読み始めた“弥勒の掌”。
メインが男2人の目線。
しかも宗教が絡んでくるから、貫井徳郎の“慟哭”に設定が似てるなぁ~と思った。
さてそのメインの一人が、愛する妻を殺され、汚職の疑いがかけられた刑事・蛯原。
独自に捜査を進める蛯原は、妻の遺品の中に弥勒像がある事に気付く。
その弥勒像は“救いの御手”と呼ばれる宗教団体から30万円で購入した物と分かる。
一方、妻が失踪して途方に暮れる高校教師・辻。
妻をよく知る同じマンションの女から、妻が何度か“救いの御手”という宗教の会合に参加している事を知る。
やがて“救いの御手”の本部で、顔を合わせた蛯原と辻。
協力して“救いの御手”を調べていくうちに、とんでもない事実にぶち当たる。
さっ、その“とんでもない事実”ってのが、本当にとんでもないのよ。
えぇ~っ‼︎ってビックリするんだけど、ちょっと都合が良過ぎはしませんか?と軽く冷静になっちゃう。
“救いの御手”ももちろん怪しい宗教団体で裏があったりするんだけど、蓋を開けて真相が分かると“ふ~ん”ぐらいの感じ。
けど、都合が良過ぎても、宗教団体の真相がわかっても、嫌いじゃない感じです。
そしてオチもなんかイイ。
蛯原の妻は殺されてるし、辻の奥さんも○○されちゃってるからハッピーエンドじゃないんだけど、無理が無くて好き。
“まっ、その状況だったら人間そうなるわな。”
って感じで、落とし所が綺麗でした。
“殺戮にいたる病”ほどのパンチは無かったものの、平凡な刑事ものとかサスペンスとかとは違う面白味がありました。
よかったら、読書の参考にしてください。