“震える牛”
何人にもオススメされて、尚且つ名作と知っていたけど、なかなか読む機会が無かった作品を今回、今更ながら読みました。
表紙もタイトルも印象的で、気にはなってたんですがやっとです。
相場英雄の“震える牛”。
金目当ての不良外国人と思われる犯人がレジの金を奪い、二人の客を殺害して逃走する。
しかし、捜査を進めていくウチに、まぁ~新情報が出るわ!出るわ!
これだけ聞くと、普通の警察小説みたいなんだけど、メインテーマが“加工食品の闇”。
居酒屋で殺された2人のウチ、一人は獣医師、一人は産廃処理業者、そして一見関係なさそうな日本最大級のスーパー・オックスマートの次期社長、この3人がある一つのキーワードで繋がる。
それキーワードが、まさに“震える牛”なのだ!
かぁ~っ、これもほぼほぼ言っちゃってんな!
メモ魔の田川の捜査メモには、早い段階から…
・モツ煮を食べるな
・豪華旅館
・ナイフ逆手持ち
こんなんが並ぶんだけど、これが一個一個わかっていく気持ち良さったらたまんないね!
それは気持ち良かったんだけど、逆に気持ち悪いのが、この小説の中に出てくる居酒屋の安いハンバーグの製造方法ね。
「食用油を摘出したあとの脱脂大豆を原料にした肉のような代物」とある。
「脱脂大豆に亜硫酸ソーダ水溶液を混ぜ、亜硫酸ガスを加えると、繊維のような形をしたタンパク質が生まれる」
「さらに亜硫酸塩、塩化カルシウム、イオン交換樹脂のクスリで濾したあとは甘味料、化学調味料、牛の香りを演出する合成香料、それに容量増しに水を加えてできたのが、このハンバーグです」
だって…。
ひぇぇぇぇぇ~っ‼︎‼︎‼︎
いや、あくまでもフィクションの話……とは思えなくなっちゃうなぁ~。
本の帯にも…
「これは、本当にフィクションなのか?」
って書いてあるしね…。
事件は、そんな加工食品が大いに絡んだ話です。
久し振りに骨太な男汁たっぷりの小説で、主人公の田川もオジサンで、好きなタイプの話だなぁ~と思ってたら、すでにドラマ化されてました。
主人公は三上博史。
同じように、オジサンが活躍する池井戸潤の“下町ロケット”も、三上博史主演でドラマ化してるなよね。
三上博史、すげぇな‼︎
今回は読み応えあるし、ワクワクするし、先が気になってしょーがない、素敵な作品でした。
よかったら、読書の参考にしてください。