“生存者ゼロ”
今回の読書感想文は、手堅く「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞した作品です。
故に大ハズレって事は無いでしょ!
安生正の“生存者ゼロ”です。
さて内容です。
北海道根室半島沖に浮かぶ石油採掘基地で職員全員が無残な死体となって発見された。
陸上自衛官の廻田三等陸佐と感染症学者の富樫が、政府の要請で原因究明に乗り出す。
ある法則が見出された時には、すでに北海道本島で同じ惨劇が起きていた。
とまぁ~序盤はこんな感じ。
海上に浮かぶ石油採掘基地という外部から遮断された場所で、職員全員が無残な死体で見つかった事から、細菌やウイルスが原因だと思うんだけど、ここで疑問が。
細菌やウイルスに感染した最初の人から、徐々に全員に感染するまでの間になぜ助けを求めなかったのか?
そんな一瞬で感染してしまう細菌やウイルスなど存在しない。
そんなこんなで原因がわからないウチに、北海道のとある街が同じような死因で全滅。
そこで廻田は何点か疑問に思う。
・なぜみんな街の中心に向かって死んでいるのか?
・後日、死体置き場となっている場所から、放射線状に地面に跡が付いているのは何か?
・パンデミックならば、どのようにして細菌やウイルスは海を渡ってきたのか?
なんかゾクゾクしてくるねぇ~。
そんな謎に、廻田自衛官と感染症学者の富樫が力を合わせて立ち向かうと思うでしょ⁈
ところが、富樫が途中からコカイン中毒になって使い物になんなくなるのよ!
自分は神の使いだ!だの、神の声を聞け!だの幻覚と幻聴の廃人ですよ、廃人。
しかし、富樫の知恵が必要だから“セレネス”という劇薬が登場する。
セレネスを使うと6時間だけ正常に戻る…が、富樫の体力を考えると2回しか使えない。
読んでるコッチは、いつ使うの⁈いつ使うの⁈ってワクワクしてくる。
で、セレネスを使って、謎のパンデミックの正体が分かるんだけど、それがまぁ~意外がモノな訳!
そこで登場するのが、モデルのような美しいビジュアルの昆虫学者“弓削”。
なぜ昆虫学者が?とお思いでしょうが、それはネタバレになってしまうので、とりあえず置いときます。
なんか読んでて思ったのは、富樫が最初にアフリカの奥地で研究してるとか、北海道から本州、はたまた世界に広がるかもしれないというスケールの大きさから“ジェノサイド”を思い出したよね。
なんて、思ってたらレビューで何人かの人が言ってた。
前半のパンデミックと思わせる感じ、後半のパニック感で一気に読めました。
それにしても、この本に出てくる首相の大河原をはじめとする日本の首脳陣が、まぁ~くそポンコツで腹が立ったわ。
実際の政治家先生達がそうでない事を祈ります。
よかったら読書の参考にしてください。