“光と影の誘惑”
さて今回は、お気に入りの作家さんです。
読書感想文でも“慟哭”や“乱反射”そして“後悔と真実の色”と何回か紹介しました。
そう、今回は…
貫井徳郎の“光と影の誘惑”です。
“光と影”という事で、写真も光と影が出るように撮ってみました。
あんまり意味の無いこだわりです…。
この作品は4つの短編から成る、短編集なんだけど“光と影の誘惑”はその中の一つ。
・長く孤独な誘拐…ある家族の子供が誘拐された。犯人の要求は“子供を返してほしければ、ある子供をお前が誘拐しろ”との事だった。
・二十四羽の目撃者…アメリカに住む日系人のラーメン屋の店主が、動物園のペンギンの檻の前で殺される。その死に疑問を持った保険屋が、調べた先にあるのは他殺か?自殺か?
・光と影の誘惑…競馬場で知り合った二人が、銀行の1億という金を奪い、そして仲間割れの末…。
・わが母の教えたまいし歌…親父が死んだ。葬式に出ると列席者から“お姉さんは元気ですか?”と問われる。見た事も聞いた事も無い姉の存在。すると母親は“初音は結婚してアメリカに住んでます”と答える。初音?初音とは誰だ?誰が真実を言っていて、誰がウソをついている?
スーパー簡単にあらすじ書いたけど、どれも面白そうでしょ?
どれも短編だから、内容がまとまっていて…まっ、アッサリしてる感はあるけど、まんまと貫井徳郎のミスリードに導かれて、最後にバサッと騙される。
気持ちイイねぇ~。
中でもやっぱり表題作になってる“光と影の誘惑”は良かったね!
あらすじだけだと、ありがちな話っぽいけど、ヨダレ垂らしながらボーッと読んでると、ひっくり返りますよ。
えっ⁈どっからそうなってたの⁈
この時はすでに⁈
あっ、ここの時はアレか!
なんてベタに読み返しちゃったりして。
もちろんそん時の顔はニヤニヤしてますよ。
だって気持ち良かったんだもん!
あと、最後の“わが母の教えたまいし歌”は、ラストの場面で背中がゾワゾワゾワ~ってするのよね。
ほぉ~、結構ダイナミックにやってくれたなぁ~!
そっちかと思ってたら、そもそもそっちかい‼︎
そんな読後感でした。
短編なんで、通勤通学とか短い時間でサラッと読めるし、一つ一つの物語の登場人物も少ないので、軽いタッチで読めると思います。
よかったら、読書の参考にしてください。