“翳りゆく夏”
一週間振りの読書感想文です。
前回の貴志祐介の「雀蜂」が作者本人も、東京~新大阪間で読める本。と言ってたくらいサクッと読めたから、今回はちょっと時間かかっちゃったね。
さて、今回ご紹介する本は…
赤井三尋の“翳りゆく夏”。
この赤井三尋を読むのは初めてで、人に薦められて手にした本です。
この作品が作者の処女作で、しかも48歳の時に出した本ってんだから、作家さんってのはいくつでも新人になれるんだよねぇ~。
さらにこの作品で「江戸川乱歩賞」を受賞してます。
さて、内容ですが「誘拐犯の娘が大手新聞社の記者に内定決定」という週刊誌のスクープを発端に、その大手新聞社・東西新聞の窓際社員・梶が20年前に起きた新生児誘拐事件を洗い直していく。
犯人の周辺、被害者、病院関係者、当時の担当刑事、唯一の目撃者、様々な人の話を聞いているうちに、封印された衝撃の事実が浮かび上がってくる…。
こういった内容になっております。
これはねぇ~、ズバリ一気読みをオススメします。
なぜなら20年前の回想の時に出てくる人と20年後の今の人、といった感じで登場人物が若い時と今の老けた時で単純に2倍になるんだよね。
で、20年前の話を追ってるから、現代の人はみんなおじさんになってて、誰が誰だかわかんなくなっちゃう。
故に一気読みをオススメします。
そんなおじさんばっかりの中で、一際目立つのがこの話の軸にもなってる、誘拐犯の娘・比呂子。
この比呂子ってのが、英語・中国語に長けた抜群の秀才、高潔な人柄、さらには天然ボケというかなり魅力的な女の子。
そして、一度見たモノを写真として脳に焼き付ける「直感像素質」の持ち主。
その能力に対し…
「その才能は記者でも有効だ。本人の努力さえあれば、瞬時に検索できる縮刷版と百科事典を常に抱えることができるわけだからな。」
と言った東西新聞社社長の杉野も同じ能力の持ち主。
十秒ほどでテーブルの上の十数枚の名刺の文字を全て脳に焼き付ける、杉野社長。
同じ能力を持つ、有望な人材、比呂子をなんとしても入社させたい。
誰もが朧げな記憶の20年前の誘拐事件に、この映像を脳に焼き付ける能力…ワックワクするでしょ⁈
「20年前のあの瞬間を全て記憶してるだと⁈」
みたいな展開、たまんないよね!
そんな二人の特殊能力が…
ほぼ関係無い‼︎‼︎
ドッヒャ~ッ‼︎‼︎
そりゃねーぜぇ~‼︎‼︎
30歳過ぎて三点倒立かぁ~い‼︎‼︎
※この本を貸してくれた、共演者の武藤乃子さん。
ですがぁ~!窓際社員・梶がジリジリと事件の真相に近づいてく感じは面白かったなぁ~。
渋めのおじさん俳優さん集めて、比呂子に若くて可愛い女優さんとか起用して、映像化するとわかりやすくて、面白そうな気がしました。
よかったら、読書の参考にしてください。