“雀蜂”
もう冬に片足突っ込んでるんだろうけど、読書の秋が止まりません。
まっ、今回読んだのはそんなに長くないし、スピード感があるから短時間で読めました。
貴志祐介の“雀蜂”。
貴志祐介といえば、一番有名なのは“悪の教典”。
それ以外にも“クリムゾンの迷宮”や“天使の囀り”などがあり、ちょっと前にドラマ化された“鍵のかかった部屋”なんかもある。
ちょっとホラーっぽい感じを俺は好きです。
この“雀蜂”も、一度本屋で手に取って散々悩んだ挙句、一度は見送ったものの、再度本屋に行った時に売れ筋ランキングの上位にあったから、やっぱり俺の目に狂いは無かった!って事で購入する運びとなりました。
さぁ、今回の“雀蜂”は作家でもある主人公・安斎が自分の山荘に閉じ込められて、雀蜂から逃げ回るって内容。
一見バカみたいな内容なんだけど、主人公は幼少期に一度雀蜂に刺されており、もう一度刺されるとアナフィラキシー・ショックで死ぬ確率が極めて高い。
外は吹雪、真冬の山荘になぜ雀蜂が⁈
さらには、隣で寝ていたはずの絵本作家の妻・夢子の姿も忽然と消えている。
安斎は、一度雀蜂に刺された事を知っている夢子が、保険金目当てに雀蜂を仕込んだと考える。
果たして、犯人は夢子なのか?
そして、安斎は無事生き残れるのか?
そんな感じかな?
おもしろポイントとしては、作中に主人公・安斎の書いた本のタイトルやセリフ、絵本作家の妻・夢子の描いた絵本のタイトルやセリフが太文字で書かれている。
こんな風に…。
最初は、ただ単に通常の文との差別化を図る為だけかと思ったら、どうやらそうでもない…。
この事件のヒントなどが、そこに散りばめられてるんだねぇ~。
まっ、俺も読み終わってパラパラと見返した時に気付いたんだけどね。
それでは、作中に登場する数ある太文字の中から、極めて重要なモノを紹介しましょう!
ネタバレにはならないと思うけど。
一つは、安斎が書いた小説のタイトル。
「小説家は二度死ぬ」
はい、これ重要です!
そして、もう一つ!これはなんならモロにオチを言っちゃってるんだけど、嫁・夢子の絵本のタイトル。
「こころは青空に向かって」
って言っても、よくわかんないでしょ?
読んでみれば、あぁ~なるほどね!ってなるから!
そんな仕掛けが散りばめられた作品でした。
よかったら、読書の参考にしてください。