“悪党たちは千里を走る” | 江戸むらさき 野村オフィシャルブログ『Men's クラブ』powered by アメブロ

“悪党たちは千里を走る”

はい、読書感想文です。


この前、読書感想文でUPした新堂冬樹の“悪虐”が俺の周りで話題になってます。


良くも悪くも…。


まっ、興味ある人だけ読んでね!



今回はどんな方でも楽しく読める内容でございます。


今回は…



貫井徳郎の“悪虐たちは千里を走る”です。

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貫井徳郎と言えば、今まで読書感想文でも“乱反射”や“後悔と真実の色”を紹介してます。


この二作品は、どちらもシリアスな内容で、それでいてスピード感のある読み応えのある感じ。


しかし今回の“悪党たちは千里を走る”は一転してコメディ。


貫井徳郎の引き出しの多さに、感動すらしちゃうね。


タイトルにもある「悪党たち」ってのは、セコいカード詐欺で日銭を稼ぐ高杉と園部。そして、仕事先で出会った美人詐欺師・三上。

その三人が金持ちの犬を誘拐しようと計画するんだけど、それが二転三転する。

その金持ちの子供・巧が「僕を誘拐して」って言ってきたと思ったら、巧が別の誰かに誘拐されて、その身代金を犯人の代わりに金持ちに交渉する羽目になったり…。

そして、最後はスッコ~ンと気持ち良く終わる。


そんな内容ですわな。


悪党たちが手を組み、誰も傷付けずにハッピーエンドって話だと、伊坂幸太郎の“陽気なギャングが地球を回す”を思い出す。


ただ“陽気なギャングが地球を回す”と違うのは、人の嘘を見抜ける天才、演説の天才、スリの天才、正確な体内時計を持つ女…のような才能溢れる人たちが主人公じゃないってところ。


高杉は、会社で業績が下がり、宝クジが当たったのはイイけど、換金する前に財布ごと掏られて、全てが嫌になり詐欺師に。

園部は高杉の事を慕う、単細胞。

三上は若いOL時代は周りからチヤホヤされてたけど、年齢を重ねるごとに居場所が無くなり、退職して詐欺師へ。


なんか愛すべきダメな人たちが、がんばって右往左往して物事に立ち向かうってのが、面白い。

故に“悪党たちは千里を走る”な訳。


誘拐するはずだった金持ちの息子・巧と仲良くなっちゃったもんだから、別の犯人に巧が誘拐されたら、親でも無いし、縁もゆかりも無いんだけも、巧の為にがんばっちゃうんだよねぇ~。


しかもコメディだから、なんかホッコリしちゃう部分も多々あって、安心して読める感じでした。




よかったら、読書の参考にしてください。