“オー!ファーザー” | 江戸むらさき 野村オフィシャルブログ『Men's クラブ』powered by アメブロ

“オー!ファーザー”

久しぶりに「死神の浮力」で伊坂幸太郎作品に触れてエンジンかかってきちゃいました!


続けて、伊坂幸太郎作品の読書感想文です。


伊坂幸太郎の本は結構読んでるつもりでいましたが、まだまだ名作を取りこぼしていました。


今回読んだのは…




伊坂幸太郎の“オー!ファーザー”です。


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音楽好きの伊坂幸太郎らしく、マドンナの曲のタイトルと一緒です。


内容は4人のお父さんと高校生の息子のお話。

四股していたお母さんが四人のウチの誰かの子を身籠った。

四人とも「俺の子だ!」と主張する。

それじゃあ、ってんで四人の父親、一人の母親、一人の子供…そんな生活が始まるんだねぇ~。


ここで重要なポイントが二つ!

じゃあDNA鑑定でハッキリ誰の子か調べればイイじゃん!

とお思いでしょうが、父親四人は「もし俺の子供じゃなかったら…。」という恐怖からできない。


それと、四人の父親は自分以外の三人とどう折り合いをつけていってるのか?

そこは全員が全員、奥さんの事を大好きだし、息子が高校生ってところから物語がスタートしてるから、もうどうでもイイって感じなんでしょう。


で、どっちかって言ったら一人の奥さんと四人の旦那さん…って話では無く、一人の息子と四人の父親…の方がメインです。

だからタイトルも“オー!ファーザー”な訳。


その証拠に母親は会話には出てくるものの、登場するのはラストのみ。


では、四人の父親とはどんな人物なのか?


父親・1(悟)…大学教授。深い見識を持つ。

父親・2(鷹)…チンピラ風のギャンブラー。

父親・3(勲)…中学教師。格闘技が得意。

父親・4(葵)…元ホスト。女好き。


とまぁ~、性格も容姿も趣味もバラッバラな四人が父親な訳ですよ。


この四人プラス息子の由紀夫が、メインキャスト。

一つの事柄に対しても、全員がバラバラの意見だったり、それぞれのアプローチの仕方が違ったりなんだけど、みんな個性が際立ってて、その会話のやりとりがとにかくポップでテンポが良い!


伊坂幸太郎作品を人に勧める時に“会話のテンポが良いよ!”って言うんだけど、これがまさに最たるモノ。


そんな中に、知事選挙、不登校の同級生、盗まれたカバン、心中する遺体、なんて一見関係なさそうなバラバラな事件が、一つにまとまっていくんだねぇ~。


前半の会話を楽しむ感じから、後半の事件に深く突っ込む感じまで、全部面白い!


そして、前半の会話の中にも伏線が散りばめられてるからね!


その伏線ってのも、事件に関連する事から、くだらなくてニヤッとさせるモノまで多種多様。


しかも小難しくないから、サラッと読めちゃう!



これは、伊坂幸太郎を読んだ事の無い人に入門書的にオススメするには丁度いいと思います。




よかったら、読書の参考にしてください。