つけ麺騒動。
ラーメンが食いたいなぁ…
ざる蕎麦も食いたいなぁ…
そんなどっちにも決め難い時って、三日に一回くらいの頻度であるよね!
そんな時は、ラーメンのモチモチ感と、ざる蕎麦を食べる時の動きを兼ね備えた…
つけ麺食っちゃうよね!
そんな訳で、つけ麺屋に走った。
迷う事なく券売機で食券を買い、半熟玉子をトッピングしつつ“あつもりで!”と、自分の好みを伝える。
フゥ~、俺も慣れたもんだせ…。
昔の俺は、つけ麺屋のルールも知らず…
券売機を横目に注文取りに来ると思って、延々待ったり…
通ぶって、最初は汁に付けずに麺だけ食って“そうきたか…”なんて、呟いてみたり…
わざわざスーツで行って、一口食べてメモをとりミシュランの覆面調査員を気取ったりしてたもんだ。
いやぁ、俺も若かったぜ…。
今は何の違和感も無く、つけ麺屋と調和してるからね。
つけ麺を待つ間も、店内をキョロキョロするんではなく、バッグからサラッと小説を出し、大人の男を演出してやったぜ!
んで、店員さんの威勢のイイ掛け声と共につけ麺が運ばれてきた。
なかなかの面構えだなぁ~。
ウマイウマイと、つけ麺をすすっていると、隣の席に若い男の人が座った。
その人は食券を店員さんに渡すなり、バッグからおもむろに、ラーメン雑誌を取り出した。
そして、あるページで手を止め、紙面と店内を見比べ始めた。
なるほど、雑誌を見て来店したのね!
ここのつけ麺が気になったのね!
それにしても、堂々としてんなぁ~。
俺だったら、恥ずかしくて雑誌なんかテーブルの上に出せないけどなぁ。
まっ、色んな人が居るからな…と、つけ麺をすする作業に戻った。
ズズズズゥ~ッ…
ズズズズゥ~ッ…
ズズズズゥ~ッ…
ズズ…んっ…ズズゥ~んっ⁈
ん?なんとなく、視線を感じパッと隣の席を見ると、先ほどの男の人が…
すげぇ見てるし!
瞳孔おっ広げて、超高校級の凝視!
その熱視線は、俺では無く、俺のつけ麺に注がれている。
どんだけ、つけ麺好きなんだよ!
お陰で、俺に見られてる事に気付いてない様子。
俺は男の人を見る。
男の人はつけ麺を見る。
つけ麺は俺に食われる。
そんな、奇妙な三角関係がカウンターで出来てしまった。
食いづらいわぁ…。
“アイツ、このタイミングで半熟玉子食うんだぁ~。”とか“ハイハイハイ、汁に麺全部浸けちゃう派ね!”とか分析されてたら、イライラしちゃうぅ~。
だからと言って、残すのも嫌だから、がんばって無視して食べたわ。
恐らく、すげぇいっぱいラーメン屋とかつけ麺屋通ってんだろうなぁ~。
なんて思いながら食べてると、隣の男の人にもつけ麺が運ばれてきた。
やっと、監視から解放される…。
そう安堵していたら、隣の男の人が店員さんに向かって…
男“これって、汁を麺にかけちゃってもイイんですか?”
だって…。
コイツ、つけ麺食った事ねーのかよ⁈
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