予防。
家を出る時から足が重かった…。
なぜわざわざ苦痛が待ち受ける場に、足を運ばなくてはならないのか?
なぜあんなモノを、体内にねじ込まなければいけないのか?
答えは簡単。
インフルエンザを未然に防ぐ為である。
高熱、嘔吐、下痢、そして気力で乗り切ろうにも、他の人に伝染す可能性があるから、やむなく仕事をキャンセルする事になる…インフルエンザ。
インフルエンザの前に、人は無力である…。
そんな悪の化身・インフルエンザに立ち向かう為には…
‘そもそもインフルエンザならない。'
という事が大事である。
そう結論付けた俺は、自分を鼓舞し、インフルエンザ予防接種が行われている、事務所に向かう。
受付のお姉さんに場所を聞くと…
姉‘あっ、向かいのビルの右側です。'
Oh~軽いタッチ!
ピンそば2メートルのパターくらい、軽いタッチ!
俺が電車の中で幾度となく自問自答した事など、我関せずフェイスで軽めの道案内。
まぁ~良いだろう…。
会場に着き、問診票なるモノを書かされる。
‘今、医師から処方されている薬はありますか?'
否!
‘妊娠はしていますか?'
否!否!
‘妊娠してる方は、何ヶ月ですか?'
否!否!否!
‘ここ一週間ほどの体調は?'
ムムム?!
これは、腹痛の事を訴えねば!
もしかしたら、腹痛の良きアドバイスが…はたまた、ちょっど手持ちに腹痛の薬があるんでよかったら…パターンがあるかも!
よしよし、ならば一石二鳥だぜ!
‘最後に医師に聞きたい事はありますか?'
その欄には素直に…
‘注射は痛いですか?'
と記入。
そうこうしている内に、その問診票を元に、先生と問診。
先‘野村さん、腹痛と書いてありますが…。'
キタキタキタ~!!!
グッアドバイス頼むよ!
野‘はい…この前なんか、30分に一回ペースでトイレに行く始末で…。'
先‘そうゆうので体力消耗しますから、たくさん睡眠とってください。'
Oops!!!
‘寝りゃ治るだろ'的アドバイス!!!
言われなくても、体力は消耗してるし、たくさん寝てるわ!
先‘じゃあ、注射打ちますね。'
は~い…
じゃねぇ!!!
‘注射は痛いですか?'
の質問を露骨にシカトかましやがって!
鼻で笑いもしやがんねーの!
あなたは突っ込むだけだけど、突っ込まれるあたいは、心も体も痛いんだぞ!
そんな心の叫びを知ってか知らずか、先生は…
先‘ハイ、じゃあチクッとしますね~。'
イヤイヤイヤ、そんなビジネスライクに言われても、あたいの気持ち考え…アッ!!!
先‘では今日は、激しい運動は避けて、シャワーだけにしてくださいね。ハイ、次の方~。'
先生は答えてくれなかったけど…
痛かった…。