BAVA-01&02
何かと話題の茨城空港が開港ってんで、行ってきましたわ…仕事だけど…。
早速、韓国からのアシアナ航空の飛行機がエプロンに入って来たから、記念にパチリッ。
保存した画像を確認したら、遠すぎてよく分かんねぇし!
この距離だとアシアナの白く細長い機体か、仙台名物・笹かまが区別つかねーし!
さらに、ド真ん中にオッサンが写り込んでて、訳分かんねぇ感じに仕上がったわ…。
一見、真ん中のオッサンがアシアナ航空のイメージゆるキャラかな?って思っ…
ちゃわねーかっ!!!
んで、写メは撮り直さずに、気分を取り直して、いざピカピカの茨城空港内へ!
デカさは地方のスーパーくらいで空港にしては広くは無いが、逆に搭乗口まで近いっていう利点があったり、全体が一望できるから迷わないよね!
空港の作りも洒落てて、イベントスペースもあるから、まっ、一見の価値はありますわな!
そんな空港内でお土産コーナーを見たり、観光案内を見たり、可愛い観光大使を食い入るように見たりしてたら、俺の腹に鈍痛と戦慄が走る。
クッ…腹がいてぇ…。
茨城空港の開港というメモリアルな日に、空港内のド真ん中でクソ漏らしたら、完全に空港を良く思わない奴のテロ行為だと思われちまう…。
茨城空港がウンチテロの惨劇の舞台になってしまうのか…?
しかし、今まで数々ピンチをチャンスに変えてきた男・俺。
今回のウンチピンチも、発想の転換で乗り越えてやるぜ!
‘この茨城空港という地に、俺が足を踏み入れた証を残す。'
よし、これでいこう!
たくさんの観光客の人混みを縫って、トイレに辿り着くと…長蛇の列!!!
…と思ったが、それは女子トイレであって、男子トイレは空いている。
あぶねぇ…。
この事実に気付くのが何秒か遅れていたら、並ばなくてはならないという現実を受け止められず、やむを得ずテロを敢行するところだったぜ…。
しかし、テロの脅威が過ぎ去った訳では無かった!
まさかの2コある個室、両方使用中!!!
くぅ…耐えろっ!耐えるんだ…浩二!
入り口付近で、右手で腹、左手で尻の穴を押さえ、ウルトラ内股で自分と葛藤していると、信じられない…本当に信じられない…いや、マジで信じられない客が男子トイレに乱入してきた!
ババァである。
しかも、2体である。
ババァが男子トイレの禁断の敷居を跨いだ瞬間、俺の頭の中でレッド・ツェッペリンの‘移民の歌'が流れ出す。
♪アアアァ~~~アッ♪
何なんだっ?!
茨城空港のトイレは、男女という性別の壁なんてぶち破って、ボーダレスだとでも言うのかっ?!
それとも、ババァ×2が勝手にモラルという壁をぶち破っただけなのかっ?!
バ・1‘しょーがないよね!あれはしょーがない!ガマンできないわよ!'
バ・2‘あんなに並んでちゃねぇ~!'
こ…こ…こいつら、後者だっ!!!
そしてババァ共はさらにモラルの壁をぶち破っていく!
俺が個室待ちをしているにも関わらず、俺を無視して個室の扉をノック、ノック!
個室の扉だけでは満足出来ないのか、掃除用具入れの扉をノック、ノック!
扉という扉をノックして回ったババァ共は、2つある個室の扉の前に各1人ずつ、立って待つという暴挙に出る!
バ…ババァには俺が見えてないのかっ?!
それとも、気付いてないだけで、俺はとっくに死んでいるのかっ?!
ちょっと離れた所で待って、空いた個室から入っていくというルールさえ無視するというのか?!
テテテメェらの…
テメェらの血は何色だぁ~~~~っ!!!!!
汎用ヒト型決戦兵器・BAVA-01、02がモラルを捨てたってんなら、俺はプライドを捨てて受けて立つ!
あぁ~っ、やってやんよ!!!
この場でズボンとパンツを脱ぎ捨て、尻の穴から排出される細菌兵器を素手で受け止め、テメェらの顔面にお見舞いしてやるぜ!!!
人間なんて辞めてやるよ!
ババァに一矢報いる事が出来るなら、ゴリラに成り下がったって構いやしねぇ!!!
ちっぽけな俺の…ちっぽけなプライドでもなぁ…捨てたら手が付けられねぇ~って事を、身をもって思い知れぇ~!!!
ベルトのバックルに手をかけ、ズボンのボタンを外す。
俺の作戦はこうだ!
ズボンとパンツを一気に下ろし、怒りで真っ赤になり、いきり立った大天狗にババァの目が釘付けになっている隙に、素早く右手を後ろに回し細菌兵器射出口に持って行く。この間に要した時間、0.5秒。
さらに、右手に細菌兵器を射出し、小さく素早いクイックモーションでババァの顔面めがけて、投げつける。この行動に要する時間、0.3秒。
俺の手を離れた細菌兵器は空中で分散する事無く、ババァの顔面を捉える。0.2秒。
トータル1秒。
ババァに叫ぶ暇も与えず、気付いた時には細菌兵器の餌食になる。
両手の人差し指と親指でズボンとパンツを挟み、作戦決行の時。
………。
訪れるしばしの静寂…。
遠くて子供の泣き声が聞こえる…。
ピンと張り詰めた空気…。
ぅぅぅぅうだだだだだだぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~っ!!!
あばよぉ、俺っ!!!
レッツ!!!ロックンロォ~ルッ!!!
左右の腕の筋肉に力を込めて、一気に下ろそうとした瞬間…
バ・1‘ハァ~、やっと空いた!はい、ゴメンなさいね!'
バ・2‘あら、コッチも空いた!'
ガチャリ…ガチャリ…。
立て続けに、2体のババァが個室に消えていった…。
ウ…ウソ…だ…ろ…。
作戦……失敗…なの…か…。
こんなにも…呆気なく……作戦が…破られる…とわ……な…。
アハハ…ハハハ……ハハ…ハッ…。
笑えてくるぜ…。
結局、俺の人間としての最低限のプライドをズタズタに引き裂き、まんまと逃げられた…。
残されたのは、廃人と化した32歳の男が一人…。
完敗だよ…。
ただ、テメェらの汚ねぇケツの温もりのある便座だけは、絶対座りたくねぇ!
死力を尽くしてでも、別の場所のトイレを探してやる!
あれ…?
‘絶対に…'?
‘死力を尽くして…'?
フッ…。
空っぽだと思ったのに、まだプライドの残りカスがあったみてーだな…。
そうだよな…俺…まだ立ち止まれねぇ!!!
こんな所で、ボーっとしてちゃダメだよな!!!
別のトイレ探さなきゃ!