神の右手。 | 江戸むらさき 野村オフィシャルブログ『Men's クラブ』powered by アメブロ

神の右手。

プシュー。



空気圧で開く山手線の扉が開く。



すると、駅のホームに吐き出される、疲れた顔のサラリーマン。



一様に下を向き、皆、やる気や覇気などといった感情を車内の網棚に忘れてきたようだ。




中には、覇気に溢れている者もいる。



幾重にも重ねられた付けまつげ、髪の毛は黄色く染められ、軽量化されたケータイをあざ笑うかの如く、ゴテゴテに付けられたストラップを振り回し大声でしゃべる若者のパワー。




未来の日本はどこへ行ってしまうのか…。




そんな人混みをすり抜け、相方とネタ作りをする為に、待ち合わせ場所のファミレスに向かう。



確か、あのファミレスに行くには、南口の改札が近いはずだ…。



南口改札に向かい歩き出し、階段を上り、通路を歩き、階段を下がり、またさらに通路を歩く…全く人に優しくない駅だ…。




南口に着き、改札を出る為にパスモの入った財布を右手に持ち、列に並ぶ。



俺の前には、お年寄りのおばあさん。



寒いのか手袋をし、マフラーをして、バッグを肩から掛けている。



一見したところ、切符やパスモを持っている様子は無い。




徐々に改札が近づく…。


おばあさん、そろそろ準備しないとバタバタしちゃうよ?




さらに近づく、改札…。



ん?ん?おばあさん、ほらほら、もう目の前、改札だよ?切符は?パスモは?




おばあさんの前の人が改札に差し掛かる…。




おい、ババァ!散々時間あったんだから、立ち止まってアタフタしたら、ただじゃおかねーからな!




ババァが改札に差し掛かる!



しかし、切符もパスモも持ってねぇ!



ピンコーン!って鳴るよ?!

ピンコーン!って鳴るよ?!

絶対、ピンコーン!って鳴るよ?!




もう、手遅れだぁ~!!!




間に合わないぃ~!!!





すると、ババァがパスモの受信機に右手をかざす。




ピッ!





という音と共に、颯爽と人混みに紛れて見えなくなる、ババァ…。





えっ?!えっ?!えっ?!えっ?!えっ?!えっ?!えっ?!えっ?!




ババァ…いや、ピンコーンが鳴らなかったから、おばあさんと呼ぼう!


おばあさんはどうゆうトリックを使ったの?!




右手の平をかざしたら、改札抜けられるってどゆ事っ?!





右手に手術して、パスモ埋め込んじゃったパターン?!



いや…チャージ出来ねぇし!




あのおばあさん、実はJRの幹部で、顔パスならぬ、手パス?!



いや…JRの幹部クラスは運転手付きの車乗ってるか!




サイババ的な?!



サイババァ的な?!



いや…超能力をキセルに使うなんて考えにくい!





あの‘神の右手'はどうゆう仕組みになっているんだ…?




よく思い出せ…おばあさん…思い出せ…マフラー…思い出せ…バッグ…思い出せ…右手…思い出せ…手袋…思い出せ…思い出せ…ん?…何かひっかかる…右手…手袋…右手…手袋…手袋…手袋……ハッ!!!




謎はすべて解けた!!!




おばあさん、手袋の中にパスモ仕込んでんの!!!




なるほど、そうゆう事だったのかぁ~!




フタを開けてみると、意外に簡単なトリックだった…





てか、その発想すげぇな!!!




まさにコロンブスの卵だぜ!




手をかざしただけで、タバコとかジュース買えちゃーよ、キヨスクで!




キヨスクで!





ヨネスケが!




てか、軽く格好いいし!




ちょっと、これ読んでる全国の人も真似してみて!



東京なら、パスモ。



大阪なら、ドヤサ。



名古屋なら、ケッタ。



福岡なら、ナカス。




いやぁ~全国でこのパターン使えそうだわ!




明日からやってみよ!











まっ、改札通る一瞬以外、邪魔だけど…。