生か死か。(終) | 江戸むらさき 野村オフィシャルブログ『Men's クラブ』powered by アメブロ

生か死か。(終)

今日のブログは昨日の(9/10‘生か死か’)の続編です。







目の前の現実に打ちひしがれ、膝から崩れ落ちそうになるのを、グッとこらえる。




視界が急激に狭くなり、意識を持っていかれそうになる。




神は…神は俺にどれだけ試練を与えれば気が済むんだっ!!!




たとえ惨めでも…情けなくても…平穏に生きたいという願いが、俺には贅沢とでも言いたいのかっ!!!





お世辞にも衛生的とは言えない渋谷駅のトイレ。


異臭が鼻をつき、隅には吐瀉物が飛び散っている。




そのトイレの個室の前で、腹を抱えた俺の肩に重くのしかかる、絶望…。




いくつかある個室のドアノブには、すべて在室を示す赤い色…。






一つも個室が空いてねぇ…。






ファック!ファック!ファック!ファック!ファック!ファック!ファック!ファック!ファック!ファック!ファック!ファック!ファ~~~~~~ック!!!





そう叫び出したい気持ちに無理やり蓋をする。




叫んだら周りの人が驚くからとか、迷惑がかかるなんて事は1mmも考えちゃいねぇ!




叫んだ瞬間、腹に力が入り、その場でドロップしちまう。




そんな事になってみろ…。




恥もプライドも一緒にドロップした俺に怖いモノなんざ何もねぇ!




クソを素手で掴み、トイレの中にいるヤツ全員に投げつけてやる!




ゴリラに成り下がっても構いやしねぇ!!!





‘大都会のど真ん中で惨劇。渋谷駅のトイレで繰り広げられた5分間の地獄。’




全国紙に華々しくデビューしてやんぜっ!!!





虚勢を張ってはみたものの、俺の腹もそろそろ限界だぜ…。





俺…もう……ダメかもしれねぇ…。




芸人なら…舞台の上で……死に…た…かった…。



現実は…便所で……クソまみれ…かぁ……。




コレで…俺の人生に……オチがついた……かなぁ…ハハ…ハッ…。





意識も途切れ途切れになり、寄りかかった壁伝いに、ユックリと崩れ落ちていく…。




固く閉ざされていた尻の穴も、徐々に、そして確実に開き始める…。





あばよ…このクソみてぇにくだらねぇ最高の人生…。







その時…。




ガチャ…。




目の前の個室の扉が開き、サラリーマンが姿を表して、俺の横をすり抜けていく。






個室がぁ~開いたぞぉぉぉ~~~~っっっっっ!!!!!




個室に入りカギを閉め、ベルトを外して、ズボンと一緒にパンツを脱ぐ。



ここまでの所要時間…5秒。




着座するが早いか、尻の穴を全開放するが早いか…とにかくほぼ同時進行に、この二つの作業が行われた。





くらえっ!!!





超~元気玉ぁ~っ!!!





ズガガガガガガッバシュゥ~~ズゴゴゴゴゴゴゴゴッバギバキバキバギバキバキバギバキバキ~~~~ッドフゥドフゥドフゥドフゥ~パラリラパラリラパラリラパラリラァ~~プスッ…プスプスッ………プスッ………プスッ………スッ。







終わった…。




天国への階段を一気に上り詰めた…。




あまりの攻撃力に便器が割れんじゃねーかとも思った…。



あまりの勢いにちょっと俺自身が浮くんじゃねーかとも思った…。



何かしらの影響で、スプリンクラーが作動しちまうんじゃねーかとも思った…。



山手線が緊急停止しちまうんじゃねーかとも思った…。





しかし、何事も無く終わった…。





俺は今回の事を通して、死ぬ事への恐怖、生きる事の素晴らしさを知った。




生きるのが辛い時、すべてが嫌な時、泣き出したい時、逃げ出したい時、そんな時に思い出して欲しい…。









ダサくても、カッコ悪くても、勇敢に正々堂々とクソと戦った男の事を…。






水に流せない事なんて…何も無いのだから…。