江戸むらビール。
Ｄｏ～Ｙｏ?!
江戸むらさきラベルのビール！
しかも、何気に中身のビール、俺が作ってるからね！
暑い作業場の中で魔女ばりに、大釜の中をグルグル回したかんね！
お中元にサラダ油だのハムだの送るよりは気が効いてね？
まっ、俺もお世話になった人達へ何を送ればイイか色々考えた訳ですよ！
ハム送るのも普通だから、ハムスター送るとか…
サラダ油送るの普通だから、サラダ送るとか…
カルピス送るのも普通だから、カルピッシュ……いや、ダルビッシュの生写真送るとか…
コーヒー送るのも普通だから、コロンビア人を差し向けるとか…
カニを送るのも普通だから、逆に‘カニ送って下さい’って手紙送るとか…
色々考え抜いた挙げ句、出た結果が‘江戸むらさきビール’だよね！
写真載ってる方が誰からのお中元が分かりやすいし、インパクトもあるよね！
どこぞの会長にこのビール送って…
娘‘お父様。ただ今、帰りました！’
父‘うむ！今日はずいぶんと遅かったではないか！’
娘‘はい。乗馬クラブの後に、ハープのレッスンに行ってきました。さらに来週のフランスで行われる社交界のドレスのフィッティングに…。’
父‘しかたがない奴だの～。おまえも年頃だというのに、彼氏もいないのか？’
娘‘お父様ったら！この間の財産100億の山田財閥の方とはお別れしましたわ！’
父‘困ったもんだの～！うちには息子がいないから、将来お前の旦那になる男には総資産1000兆円と東京ドーム8000個分の土地を譲るというのに…。’
娘‘モデルの仕事も忙しいもので……あれ？そのテーブルの上のビールは何ですの？’
父‘一度、うちの会社で使ってやった若手芸人のお中元だよ！今はラベルに写真を載せられるらしいの～！’
娘‘お父様！左の殿方は何というお方ですの？’
父‘ん？確か野…村……浩二…だったかなぁ？’
ズキューン！
父‘何だ?!今の音は?!’
娘‘く…くるしい…。胸が焼けるように熱い…。’
父‘娘よ…。それは恋という感情じゃ…。’
娘‘こ…これが……恋……？’
父‘キムタク君をお前に紹介した時ですら、お前は恋に落ちなかったのに…。出会ってしまったようだな。’
娘‘決めましたわ！私、このお方に嫁ぎます！’
父‘それはめでたい！よしっ！召使い達！宴の準備じゃ！’
召‘かしこまりました！蛯原会長！友里お嬢様！’
面白くなってきやがったぁ～っ！
誰にも‘可能性ゼロ’とは言わせないぜぇ！
ビールでエビを釣り上げたぞぉ～っ！
ハイハイ…。
みなさんに言われなくても分かってますよ…。
31歳にまでなって、そんなシンデレラボーイになれるなんて思ってないですよ…。
まっ、大前提、お中元で江戸むらさきビールをバラまくとか言ってっけど、仕事で作ったもんだから…
手元に３本しかねーしね。