滅びの美学。
リョ‘観たい映画があるんで一緒に行きません？’
野‘イイね！俺も久しく映画観てないからなぁ～！息抜きにパーッと観たいわ！何観たいの？’
リョ‘「実録・連合赤軍…あさま山荘への道程」が観たくて！’
重いよ…。
タイトル聞いただけで、気晴らしにならなそうだよ…。
リョ‘○○さんとか△△さんとか出てるんですよ！気になりますよね～！’
気になるもなにも、その俳優さん知らねーわ…。
イイね～と言った手前、もう断れない…。
野‘お…おうっ！じゃあ、行くわ！’
リョ‘まっ、3時間半でちょっと長いですけど…。’
行きたくねぇ～～～～～～～～～～～っ！
新宿で待ち合わせして、いざ映画館へ。
館内には、あさま山荘事件の時、リアルタイムで学生さんだったであろう、オジサマ方ばかり…。
若いのは俺とリョータだけ…。
リョータはポスター観て…
リョ‘熱いっすねぇ～、このキャスティング！出て～！’
それを横目にアイスコーヒーをすすりながら一服する、俺。
内容はと言うと、あさま山荘事件の事を詳しく知る事もできたし、リョータの言う俳優さんの演技もさすがに上手い…ただ……………重い。
グッタリですわ…。
しかしリョータは目をキラキラさせて…
リョ‘いや～よかったっすねぇ～！勝てないかもしれない巨大な物に立ち向かう勇気！ありゃ胸にグッときますよ！’
野‘滅びの美学ってヤツ？’
リョ‘俺、北海道出身だから白虎隊とかメチャクチャ好きっすもん！’
野‘へぇ～！じゃあ、お前もいざとなったら、死ぬと分かってても立ち向かうんだ？’
リョ‘いや、有り得ないっしょ！’
現代っ子～！