立ち尽くしたり。 | 江戸むらさき 磯山オフィシャルブログ『跳べないボールはただのボール ~そして伝説へ~』powered by アメブロ

立ち尽くしたり。

仕事終わりで


家に帰り際、近所のコンビニへ行きまして。


このコンビニ、あまり行かない場所にあるコンビニで


バイクで仕事場に行った為、このコンビニに行ったパターン。


普段、行かないコンビニだと


ちょっとワクワクするかんじ。


いつもとは違う商品の配置にテンション上がるし。


ここに、パンが置いてあって~


デザートコーナーがここで~


アイスがあんなに奥の方か~


あ、エロ本も奥の方のなかなか良い位置にあるね!


なんて思って


軽くエロ本チェック1・2をしようとすると


僕の前に、先客がいまして。


エロ本の前に立ち尽くしている男性。


エロ本を手に取るわけでも無く


何と無くエロ本の前にいる。


なんだか、一点を見つめている。


なんだ?この人?


見た目的に


年齢的には二十歳くらい。


メガネをかけていて


割りとピチめのデニムパンツに


ブルーのパーカー。


なんとなくだけど、山田みたいな顔をしてる。


見た目の雰囲気からきっとDO-T


顔の濃さから九州あたりの出身。


大分あたり。


大分の津久見市あたり。


およそ1年半に、大学進学の為に東京にやってきた。


高校は地元の進学校に通っていて


3年間わき目もふらず、勉強を頑張ってきた。


そのかいあって


山田は、現役で東京の六大学の一つである明治大学に現役で入学出来た。


始めは右も左もわからなかった東京だが


友達やサークルの先輩のおかげで


渋谷や新宿、学校がある明大前などに良く行くお店も増えてきた。


『いつもの魚民集合!』


この一言で、渋谷マークシティの魚民に集まり


いつもくだらない話で盛り上がっている。


最初は、まずかったビールも


飲み会を重ねた結果、美味しく飲めるような気がしてきた。


この仲間で騒いでる時が、今は最高に幸せだ。


来年からは就職の事も考えていかないといけないが


まだ実感は無い。


この楽しい時間が、ずっと続けばいいのに。


なんて、思っていたのは


10日ほど前までの話。


実は


彼は、1つだけ罪を犯していた。


罪と言えば、大袈裟になってしまうが


友達や先輩、さらには後輩たちにある嘘をついているのだ。


『彼女がいる』


と。


もちろん、DO-Tである彼には彼女どころか


まだ、女性の胸を触った事も無ければ、キスをした事も無い。


なのに、つい


『彼女がいる』


と嘘をついてしまったのだ。


あれは、今年の5月。


後輩たちの新歓コンパも終わり


同じテニスサークル仲間たち


男7女3で、いつもの渋谷魚民で飲んでいる時だった。


この春入ったばかりの1年生の宮脇が


『実は、自分童貞なんですよ~。』


なんて言った事がきっかけで


宮脇がバカにされたのだ。


『マジかよ~!童貞かよ~!カッコ悪いな!』


なんて童貞いじりをされたのだ。


その時に、そんな童貞いじりをされたく無い!と


『彼女がいる。地元の大分に高2から付き合っている子がいる。』


ととっさに嘘をついてしまったのだ。


『写真を見せて。』


と言われたが


ラッキーな事に、携帯電話をiPhoneに替えたばかりだったので


それを理由に回避する事が出来た。


それから同級生、先輩、後輩から


『山田!地元の彼女元気?たまには地元帰ってやれよ!』


なんて言われるたびに


胸がギューっと締め付けられるのだった。


『実は、彼女なんていないんだよ!宮脇と一緒で童貞なんだよ!』


と、飲み会があるたびに何度言おうとしたか。


しかし


言おうとするタイミングに限って


サークル仲間による


宮脇童貞いじりが始まり


そのタイミングを逃すのだった。


ああ


『僕には彼女なんていない!童貞です!』


なんて言えたらどんなに楽だろう。


しかも、僕は…





なんて思っていた矢先の出来事だった。



10月初めに、ある事件が起きたのだ。



なんと宮脇に彼女が出来たのだ。


同じサークルの3年の笹川麻衣子が



いつも童貞いじりをされていて


みんなのマスコット出来な存在だった宮脇に対し


『宮脇君って、可愛い!』


なんて思っていて


この間の、宮脇の10月12日の誕生日をきっかけに、2人は付き合ったのだ!


このニュースは、サークル内を瞬時に駆け巡った。


あの宮脇に彼女が出来る!


しかも相手は、笹川麻衣子!


童貞消失も時間の問題!


なんて。





実は





山田は


笹川麻衣子に思いをよせていたのだ。


笹川の事が好きだったのだ。


初めて笹川に出会ったのは


山田が1年生の時の新歓コンパの時。


何気無く笹川が隣りに座ったのをきっかけに


今まで、まともに女性と話をした事が無かった山田に


『名前?山田君って言うんだー。そのブルーのパーカー可愛いね。何かわからない事があったら何でも言ってね~。』


なんて声をかけてくれたのだ。


もちろん、笹川は全く人見知りしない性格で新入生誰にでもこんな態度だったのだが


山田は、1撃で好きになってしまったのだ。


それからと言うもの、山田は笹川が気になって気になって仕方ない存在になった。


『彼女なんていない!童貞なんです!』


と言おう言おうとしていたのも


笹川に対する思いもあったからだった。


あの笹川先輩が…


宮脇と付き合うなんて…。


あの時、なんで見栄をはって


『彼女がいる』


なんて言ってしまったのだろう。


正直に言えば


もしかしたら


もしかしたら


笹川先輩と付き合えたのかもしれない…。


なんて僕は小さい男なんだろう…。


宮脇はちゃんと自分をさらけ出しているのに…。


と、彼は後悔しまくった。


宮脇と笹川が付き合ったと言う話を聞いて以来


サークルにも顔を出していない。


明日こそ明日こそ、顔を出しに行こう!と思いながらも


もう1週間以上経つ。


学校が休みだった今日は


外に出る気もせずに


ずっと家に閉じこもっていた。


ずっと笹川と宮脇の事を考えていた。


すると


今日は、外に出ないつもりでいたが


お腹がぐーぐーなっていた。


気付けば、もう夜の8時過ぎ。


さすがに何か食べよう


とりあえず、近くのコンビニに行こうと


ほとんど毎日通っているコンビニに来たのだ。


すると


ふと見た


何気無く見た


エロ本の表紙の女の子が


水着姿の女の子が





笹川麻衣子ソックリだったのだ。


クリソツだったのだ。





彼はこの時



決めたのだった。




明日







風俗に行こう



と。





なんて事で。


勝手に妄想されるから


エロ本の前で


ぼーっとするのは




気をつけな!




エロ本の表紙が可愛かったからの投稿