こうる。

中目黒のイタリアン『ｃｅｒｃｈｉｏ』に行きまして


今日も、じゃぶじゃぶパスタ作ってやるか！バカ野郎！なんつって。


そんなふうに息巻いてお店に到着すると


『こうる』がいまして。


『こうる』ってのは、近所に住んでる小学５年生男の子で


『ｃｅｒｃｈｉｏ』の近くに学童があって


学童帰りに、帰り道にある『ｃｅｒｃｈｉｏ』に、こうるがちょいちょい遊びに来るようになって


仲良くなった的な。


もうかれこれ、３年くらいの仲的な。


小学２年生くらいから知ってる的な。


まだ反抗期来て無いから、可愛いくて仕方ない的な。


孔子の孔に、一郎の郎で『孔郎』（こうる）みたいな。


そんな、こうるが『ｃｅｒｃｈｉｏ』にいたわけです。


お！こうる！久々じゃね？


なんて言うと


『待ってたよ。』


なんて、こうるが言いまして。


待ってた？何で？


なんて僕が困惑してますと


『ｃｅｒｃｈｉｏ』のオーナー宮崎さんが


『こうるが、りょんさんとモンハンをやりたいって言って、待ってたみたいですよ。』


なんて。


あら？


ちょっと嬉しいじゃん！


こうる、相変わらず可愛いな！


なんて思っておりますと


宮崎さんが


『りょんさんは、ゲーム上手いからね。いろいろ一緒にやってもらいな。』


なんて。


ここで


急に


超スーパープレッシャー！


今までこうるには、兄貴的なかんじで


何でも知ってるお兄さんみたいに言ってきたわけです。


何でも知ってる兄貴的な。


おい！こうる！性に目覚めたか！


なんつって。


そんな兄貴的なかんじで接してきたこうると一緒にモンハン…。


もしかしたら、こうるのが上手かったらどうしよう…。


こうるの前でカッコ悪い姿見せちゃったらどうしよう…。


今までこうるの前で積み重ねてきた兄貴的な雰囲気が…。


そんな不安が頭をよぎりまくる。


そんななか


『早くやろうよ～。』


なんてこうるが僕をせかしてくる。


うわぁ…。


やるしかねぇ…。


ガツンとモンスター倒してカッコ良いとこ見せるしかねぇ…。


大人のゲームテクニックをまざまざと見せ付けるしかねぇ！


童貞野郎との違いを見せ付けるしかねぇ！


とりあえず、こうるとギルドカードを交換。


ギルドカードってのは、名刺みたいなもので、その人が今までモンハンがやって来た経緯みたいなのが、わかるものなのです。


ほぉ…。


なるほど…。


一応、僕のがレベルは高い。


良かった。


とりあえず、セーフ。


ちなみに、倒したいモンスターはいるかい？


なんてこうるに聞くと


『ボルボロス一緒に行ってよ。』


なんて。


ボルボロスってのは、モンハンで割と最初の方に出てくるモンスターで、強さのＭＡＸが１０だとしたら、２か３くらいのモンスターなのです。


良かった～。


弱いモンスターで。


強かったら、死ぬ確率も上がるからね。


いや、待てよ。


逆に、勝って当たり前的な。


余裕で勝たないといけない的なかんじなんじゃねぇの？


死にそうになったりとか、回復しまくったりとかしちゃマズいんじゃねぇの？


ヤバい！


更にプレッシャー！


ＰＳＰを持つ手が震えてくるし。


そんなわけで、ボルボロスとの戦いが


いや、プレッシャーとの戦いが始まったのです。





このボルボロス戦。


めちゃくちゃ頑張ったし！


こんなにも集中した事ねぇんじゃねぇの？くらい


指先に全神経を集中し


ハンマーでボルボロスを叩きまくったし。


とりあえずは、死ぬ事も無く


回復をしまくる事も無く


ボルボロスを倒す事が出来たし。


けど、すげぇ疲れたし。


上位のジエン・モーランを連続４回戦った時くらい疲れたし。


そんな僕に


『ありがとうね。』


なんて、終わった後にお礼を言う、こうる。


めちゃくちゃ可愛いし！


小学５年生、素直で良い子ね。


なんて思ってると


こうるが


『またやってね。次はアマツね。』


なんて。


アマツってのは、アマツマガツチってモンスターで、強さのレベルがＭＡＸの１０くらいの強いモンスターなのです。





うわぁ…。





こうる…。





どんなモンスターよりも






お前が１番手強いわ…。