ガタンゴトレイン。 | 江戸むらさき 磯山オフィシャルブログ『跳べないボールはただのボール ~そして伝説へ~』powered by アメブロ

ガタンゴトレイン。

最近


電車がヤバくて。


とにかくヤバい。


何がヤバいって







超スーパー眠くなるし。


外は寒いのに


電車で暖房がガンガンかかってるから


ポカポカ祭り。


座れた日なんかには、スリーピングデビルがすぐ襲ってくるし。


乗ってる電車がドリームトレインに早変わり。


また電車の揺れって、気持ちいいんですよ。


一定のリズムでガタンゴトンなんつって。


お母さんのお腹の中思い出すし。


ただでさえ、花粉症のおかけで、なんとなくずっと眠いのに。


薬なんか飲んじゃった日にはどうなってしまうのかしら?


まぁ、目的地が遠い場合は、寝ちゃってもいいんですけど。


ガッツリと。


ガッツリと寝ちゃって。


アレさえしなければ。


アレさえ。












プシュー!


間一髪


電車の扉が閉まった。


『ふ~。ギリギリセーフ!』


18時に浅草に着くためには、この渋谷発17時27分の銀座線浅草行き乗らねばならなかったのだ。


こういう急いでる日に限って、Suicaの残高が無くなっていて、チャージしていた為


改札で戸惑ってしまっていた。


麻子は、どうしても18時までには、浅草に着きたかった。


だって、久々のデートなのだから。






正確には


『ご飯を食べに行きましょう。』


なんて誘われたのだが


麻子は、気持ち1つ


あえて『デート』と言う言葉を使い、自分を奮い立たせていた。


『デート』と言う言葉をあえて使うことによってドキドキ出来るからだ。


麻子は、こういうドキドキをいつまでも忘れてはならないと、常日頃から思っていた。





今回の誘われたきっかけだが


バレンタインに、何気なく義理チョコ的なかんじで、会社の後輩にチョコレートをあげたら


ひどく喜んでくれて。


『ありがとうございます!お礼と言ってはなんですが、浅草で美味しい天丼屋さんがあるんですよ。行きましょう!』


なんて誘われたのだ。


同じ会社の2つ下の後輩の『角田君』


確か、下の名前は、達也だったか拓也だったか。


けっしてカッコイいわけでは無いけど、ぽちゃとして、愛嬌があり、会社のマスコットキャラクター的存在なのだ。


そんな彼に、誘われた為


今日は、浅草まで行く為に銀座線に乗り込んだのだ。


少し走った為、乱れた息を整えながら


ゆっくりと席につき


iPodの電源を入れた。





それにしても


前に座っているハット被った男。


なんてオシャレなんだろう。


ジャケット、パンツ、靴、バック。


身に付けてるアイテムがいちいちオシャレ。


ちょっとおでこは気になるものの


まるで、オシャレの王様。


そして何より凄いのは


先ほどから、ピンク色のPSPでゲームをしている。


男なのに、ピンク色のPSPって。


ピンク色って。


オシャレな人とはこういう人のことを言うのだろう。


しかも、このオシャレな人は


オシャレの聖地『表参道』で降りていった。


さすが、オシャレの王様。


表参道で、さぞかしオシャレなことをするのだろう。





なんて感心していると




表参道から、男が乗ってきた。








あれ?


あれは、角田君?


これから、浅草でご飯食べようとしていた角田が乗ってきたのだ。


あの顔は角田に間違いない。


ピーコや佐々木健介や元ライブドアの社長に似ている角田。


角田は、すぐ前の席、オシャレの王様が座っいた席に座った。


ちょうど良かった。


少し眠かった為、浅草まで話し相手が欲しかったのだ。


天丼の話をいろいろ聞いて


天丼が食べたいテンション。


『天テン』にしておきたいし。


わたしはここにいるよ、と、青山テルマ並みにアピールする為


角田に目配せしながら、1つ会釈すると


角田は、チラッとそれを見た後に


目をつぶって寝てしまった。







え?


なんで?


なんでここにきて無視?


今から、一緒に浅草で天丼を食べると言うのに。


そっちから誘ってきたのに。


全く意味がわからない。








待てよ。


『ご飯行きましょう。』とは行ったものの


『一緒』にとは一言も言ってない。


まさか、一緒では無いパターン?


行くけど、一緒じゃない的な。


テーブル別的な?


喫煙席と禁煙席で別れたり?


麻子は、少し焦った。


あんな角田のベビーフェイスから、そんなことが想像出来なかったのだ。


いつもニコニコなのに。


別人?


いやいや、似すぎている。


世界には似てる人が3人いると言うやつか?


ドッペルゲンガー?


まさか、双子だったパターン?


いろんな推測が麻子の頭の中を駆け巡る。


なんて、頭をフル回転させていると







『次は上野~。上野~。』


なんてアナウンスが聞こえた。


すると、角田が突然起き上がり、降りようとしていた。






え?


浅草は、まだ先なのに。


上野で降りる?


上野寄りの浅草ということか?


上野であって、浅草であって、上草?浅野?


麻子は、すっかり混乱していた。


わからない。


なぜ無視したのか?


なぜ上野で降りるのか?


角田の行動がさっぱりわからない。


全然わからなすぎる。







ただ、1つわかる事は


角田が寝起きの為


朝立ち的なかんじで


完全に勃起していたと言うことだ。







麻子は、混乱した分だけ






いつもより強く殺意を覚えた。












みたいなことがあるかもしれないから。


電車で寝る時は、気をつけないと。