というのは、借金を抱えている、ないし、借金が出来たとき、融資してもらえたときと比べて、


心理的には、あまり安泰でない場合がある。


利子の負担よりも、三ヶ月後の断崖絶壁感のほうが恐怖だったりするのだろう。


しかし、借金地獄に落ちて、取り立てに追われる恐怖に比べれば、


まだ救いがあるような気もするのだが、


たとえばあと二ヶ月で失業給付が切れる、というようなとき、


恐怖というか、焦る気持ちは確かにしんどいだろう。


来月分を借金せざるを得ないときと、


二ヶ月分は手持ちがあるときと、


どうも借金しなければ、という気持ちのほうが積極的な面があったりするのは、


不思議なことだ。


高利の借金は、後々苦しむことになっていたとしても、そうなりがちなことが多い


かもしれない。


自分の力で得たものではなくても、「入金」するということに人は心強くなるのかもしれない。


何もしなくても、60日は食っていけるということよりも、


「お金が入ってくる」ということ自体に勇気づけられる。


お金に負ていないのは、いったいどっちなのだろう?


負けているのは、どっちなのだろう?