昨日5月28日付けの毎日新聞夕刊「文芸時評」を読んて゛、
具合が悪くなった。徹夜で片付けたいことがあったが、
寝てしまった。
田中和生とかいう「文芸批評家」による、
時評の前ぶりのお蔭様である。
この人はおそらくマンガを誤解している。
「絵空事」を超える冒険、
という表題の「絵空事」は別に、それでよろしい。
僕なら「現実を串刺す絵空事」と言うだろう。
しかし具合が悪くなって寝てしまった理由は、ここにはない。
主題に問題はないが、主題への前ぶりに、事実誤認というか、
文芸批評家としての虚実皮膜の虚と実の振り分け能力において、
基礎的な能力を疑わせるような誤認をさらして平然としている。
面倒くさいので、端的な『美味しんぼ』と『ゴルゴ13』の違いを指摘してく。
まずはそれで十分だろう。
ゴルゴもドラマ構成のネタに現実の事件を取材、
これを下敷きに展開することはよくある。
しかし、あくまでもゴルゴ13というヒーローは虚構の人物「絵空事」であって、実在しない。こんなことは小学生でも知っている。
対する『美味しんぼ』は、同じく現実に食おうと思えば食える料理を
題材にする。
そして、架空のヒーローは存在しない。
とりわけ、福島を題材にした例の連載は、現地取材にもとづいている。
で、問題の発言は現実に存在する人物が実名で発言したものだ。
このどこを指して、田中が言う「そもそもマンガは『絵空事』」
の「絵空事」として、
同一に括れるというのか?
(続く)