編集機関EditorialEngineの和風良哲的ネタ帖:ProScriptForEditorialWorks -16ページ目

タッチアンドエンド


ページものの企画プレゼンには、サムネールというものが付きものだった。

仕上がりイメージを手書きのラフと一緒に全ページ分、エディターが書く(描く)。

それの代表的なところをデザイナーが実寸で作るものを原寸ダミーとか、カンプと呼んだ。

今でもこの作業は行われているが、もう一つ、エディトリアル・デザイナーによる〈指定〉作業がある。

実制作段階で、主立ったページの構成に対してダミーの上に文字のサイズや、カラー、写真の処理などなどを手書きで書き入れていく。それがまとまったものを「指定紙」と呼んだ。

これはウェブページでCSSが担っている働きに近い、というかほぼそのものだ。

エディターは、校正をするが、この校正も、ウェブページ上のHTMLに近い。

ここは改行を入れようと思えば、校正記号としてエディターが改行のマークを入れる。


文字どおり、マークアップしてるわけだ(Hyper Markup Language)。

ただし、この相同性は、インターネット以降にそれ以前からある編集技術をウェブに導入しようとして行われたものではない。気づいてみるとそういうことだったね、ということに過ぎない。だから、HTMLとCSSを扱う人がウェブ・デザイナーと呼ばれている。エディターはいない、ことになっている。

たしか1990年代の始めころだったと思うが、初めて観たウェブページは、どこかのジャングルと思われる一面緑の空撮写真のようなものだった。全面表示されるまでの時間は、気が遠くなりそうなくらい、遅かった。ブラウザはたぶんMOSAICだった。

日本語文字が並んだウェブページの初見はNTTの電話帳のようなページだった。ビジュアルはなく、文字列だけの横組みのリストだった。

たぶんまだ検索エンジンYahoo!も稼働していなかった。今年でヤフーが20周年らしいから、検索エンジンは1996年以降ということになる。

何が言いたいかと言えば、検索エンジン登場以前のインターネット、ウェブはいわば単機能の〈文字電話〉に近いもので、それはそれで「道具」とみなしていればいいだけのものだったということ。

とくに〈編集〉を持ち出すこともなかったわけだ。

テレビ電話みたいなものだから。

で、時間は一挙に進み、ウェブは文字よりも映像の時代と言われることになって、ストリーミング技術によって、まさにテレビと同等、いやオンデマンドの実現でテレビ以上のものになろうとしている。

ただしこれは、よくある道具の進歩なのであって、文字列にこだわる限りは、何一つ変化していない。

この意味、編集技術――情報技術ではなく――情報編集技術は置き去りにされていると言っていい。

もともと万人が必要とするものではない、と言ってしまえばそれまで。

せいぜいがCGMであればよい、というところで話は終わるだろう。

⇒Consumer Generated Media;CGM

というわけで、次はCMS(コンテンツ・マネジメントシステム)と、「タッチで終わり」って話に進むことにする。ついでに初期のHTMLサイトは、編集構成的であったということについても。

で、最新の編集機関のキーワードは《編集の構図》であることについて。

(続く)
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