鹿子裕文著『はみだしルンルン』(東京新聞)

 

 

生きにくさを抱えている「はみだしもの」よ、本書を手に取れ。気持ちが楽になること、請け合いである。

あるいは、ボケるのを恐れている人、とにかく面白いことを求めている人、そして、ネコが好きな人にもお勧めする。

 

本書は、東京新聞に月1回連載していたエッセイである「人生へろへろ」「はみだしルンルン」「どうにもニャン太郎」の総計45本のまとめたものだ。3つの通しタイトルの通り、いずれもかなり「ゆるい」もので、余裕のない社会に生きるものたちのアタマのネジを弛めてくれる。読んでいて何度、声を出して笑えただろうか。

そして、本当の「笑い」とは、誰かを貶したりどついたりするものではなく、徹底的に自分を突き放した者が表現できるものなのではないかと気づかされた。

 

著書の鹿子さんはフリーの編集者。福岡の先駆的な介護施設「宅老所よりあい」のメンバーが特養を設立するまでの奮闘を描いた『へろへろ─雑誌「ヨレヨレ」と「宅老所よりあい」の人々』の執筆者だ。

雑誌「ヨレヨレ」は、「よりあい」のお年寄りやメンバーの生き生きとした様子を紹介。介護とは無関係の人からも絶大な支持を得て全国から注文が殺到したという。

 

認知症が怖い人はまず、「人生へろへろ」の「おっぱいは死なん!」と「昼間っからなんちゅうことばしよんやろかっ!」を読もう。少しだけ気持ちが楽になるのではないか(そして「よりあい」のような施設が身近にほしいと思うはずだ)。

自分は「タガが外れている」と思う人は、「はみだしルンルン」の「僕はこう見えてツクシ採りの名人なのだ」を見てほしい。客観的な自虐からの笑いを感じると思う。

 

表紙や各ページを彩るモンドくんによる似顔絵の数々も相変わらずパンチが効いていてよい。