選ばれた人間のみが集うプロスポーツの世界にあっても、「圧倒的」と言える者がいる。

圧倒的な者のパフォーマンスは、時に芸術的で、時に宇宙的というか天文学的な要素を感じさせる。

私は、生まれた国が違えども同じ時代に生まれた彼らの、生き様の一片であるパフォーマンスを、目の当たりにしたいと常々思っている。


初めての海外だったアメリカへはNBAのマイケル・ジョーダンを見るために行ったがチケットが手に入らず、イタリアではサッカーのチャンピオンズリーグでのジネディーヌ・ジダンを見て、上海まで行ったF1ではミハイル・シューマッハの走りをみて、ゴルフではタイガーウッズをまだ見ることが出来ていない。幸運にもテニスの仕事で目の当たりに出来たロジャー・フェデラーもその一人である。


先日の全豪オープンでも圧倒的だった。1セットも落とすことなくすべてをストレートで勝ち続けたパーフェクトな優勝だった。今年は現場に行くことはなく映像を通しての印象だが、誰も彼を止められない。


マイケル・ジョーダンが全盛の頃は、周りの選ばれたはずのプロ選手が、高校生に見えた。そんな感じさえさせるフェデラーの強さである。


彼の凄さは圧倒的な正確さにあると思う。トッププレーヤーだからこそ打てる、時には捨て身を覚悟するような「快心のショット」を、彼だけは捨て身にもならずとも日常的に打てる。


これ以上は言葉が見つからない。



プロのスポーツ選手の中には、同じ時代に生まれたからこその幸運を感じさせる圧倒的なプレーヤーが存在する。


そんな彼らを知らずにいるのは非常にもったいない気がするし、出来れば生で、多少のリスクは払ってでも、動く芸術を感じておくことがこれからの自分の人生を価値あるものにすると思う。



*画像は2006年全米オープン優勝のフェデラー

2006全米優勝のフェデラー