企画を見る目:秋元康さんが教えてくれたこと | 編集者の目

企画を見る目:秋元康さんが教えてくれたこと

「いま、どんな企画に興味があるのですか」

たまにこう訊かれることがある。

じつは、いつも返事は決まっていて、
「とくにこれといって、ないんですよ」
と答えることが多い。

もちろん編集者をやっているわけだから、
好奇心は旺盛なほうだと思う。

でも、勉強法とか仕事術とか話し方とか、
ある特定のテーマに興味があるわけでなく、
自分の場合、まず「人」に興味がいく。

極端な話、この人の話はおもしろいと心から思えれば、
どんなジャンルの本だってつくれるのだ。


エッジの立った企画は、
強烈なエネルギーを持った個性からしか生まれない
と思っている。

誰もが本を出せる時代になった、といわれることもあるけれど、
そんなの絶対つまらないよ。

本当にそんなことになったら、
僕は編集者を辞めるだろう。

編集者にとって、
著者はやはり特別な存在であってほしいのだ。

そう思っている編集者はたくさんいる。


ちょっと前に
秋元康さんと編集者5、6名が集まって
会食したことがある。

そのとき、秋元さんがおもしろい話をしてくれた。

オーディションでまず最初に落とされるのは
ミニスカートをはいて、メイクもバッチリで、センスがいかにもよさそうな
美女なのだそうだ。

そして、難関をくぐり抜けるのは、
遅刻してやってきて、
髪もボサボサで口紅の色も似合っていないような
女のコだったりするとか。

結局、オーディションでは、
外見ではなく本質が問われるということだろう。

自分自身がその目を持ち合わせていればよいのだが、
これがまた一番むずかしい。


だから、この人は目利きだと
信頼している人からの紹介と縁を大切にしている。

結局、それが一番確かなのだ。