樹木では、常緑樹ではなく、落葉樹が好きだ。
おのずと、針葉樹ではなく、広葉樹が好き。
草花では、宿根草ではなく、一年草が好きだ。
緑の濃い葉の植物よりも、薄い緑の葉が好きで、
樹木も、草花も自然なアンシンメトリーなフォルムが好みだ。
だから逆に典型的に苦手なのは、お土産のワサビ漬けの樽に植えられた紅色のベゴニアとかヤツデとかだったりする。生け垣などで四角く成型されている姿を見慣れているので、ツツジやサツキにもまったく興味がなかったのだ。
ところが、参った。ツツジって、キレイなんだ!
連休の谷間の日、道路交通情報で混雑状況を見ていたら、お、思いのほか道路は空いているじゃないか。愛車を定期点検に出したら、バッテリーのためにたまには高速を走ってくださいね、とディーラーに言われていたし、天気も良いからひとっ走りしてくるかと心に決めて、行き先の検討に入る。
渋滞回避を最優先に調べていたら、東北道館林インター3分の群馬県立つつじが岡公園 でツツジが満開との情報発見。そういえば、と、数年前に担当していた情報誌の記事で紹介したことを思い出す。その時に掲載した写真は、ツツジの古木で、背丈よりもでかく人々が見上げていた。
どうせ湘南方面は渋滞だし、ホントは海に行きたいけど、しょうがない、群馬に行くか…。
ボク的には素早い始動で昼過ぎには着いたのだが、公園入口にはすでに日除け帽子&リュック姿の中高年のおじさん、おばさんが、カップル、グループ、団体で大集合していた。これだけ密度の濃い団塊Over集団をみたのは、ユザワヤのバーゲン以来だなぁ、などと思いつつ公園に入ると、どこからかひび割れたマイクとギター演奏で、演歌の嵐が降ってくる。どうやら、オッサンストリートミュージシャンが、公園の一角でカラオケライブをやっているらしい。曲が終わると、万雷の拍手が鳴り響く! グッさんの新キャラだ~。クルマのなかでは、MINMIとかAIとかレゲエやR&Bをガンガンにかけてドライブしてきたのでイッキに別世界の扉が開かれた感じ。
公園に入ると、圧倒的な色彩に溢れたツツジの壁が正面に展開する。
生まれて初めてツツジのトンネルをくぐり、樹齢800年を超えるという山ツツジの古木を目の当たりにするころには、ツツジに対する思い込みが消えて、おお~スゲーッと素直に感嘆の声が出る。
公園には、様々な種類のツツジがあるのだが、基本的にはツツジ本来の樹形を保っている。人工的なキュービック仕立てなんかはなくて、ツツジが主役の原生林のような様相。
いやはや、なんとも凄い。美しい。参った。感動した。ツツジって、キレイな花だったんだ。
以前なら日射しの強いG.W.には、躊躇わずに湘南に出かけただろう。
数年前、初めてアジサイがキレイだと思った。それからは、梅雨も楽しみになった。
昔、食べられなかったブロッコリーを、最近美味いと思う。
それが歳を取ると言うことか。
少し、不安になる。
でも、そのことできっと損はしていない。好みの幅が広がり、楽しみが増える、ということだ。
ドライブで氷川きよしを聞くことはこれからも無いと思うし、道路さえ空いていれば湘南にも行くだろう。でも、何年かしたら、また、この季節にツツジを見に行きたいと思うだろう。自然に選択肢が増えていくのは、悪いことじゃない…な。