“女”を武器にしたこと、ありますか? | 文章力アップの革命塾! 上手な自己主張でチャンスを生かせ!

“女”を武器にしたこと、ありますか?

知り合いのエディターS嬢
誰もが羨むような美貌とスタイルの持ち主。
すれ違った男たちのほとんどは、
条件反射のように振り返ってしまいます。

そんなS嬢、書籍部に配属され、
大物作家Fさんの担当になりました。

このFさん、業界ではスケベジジィで有名。
マンガにすると、チビデブハゲが
クローズアップされてしまうほどビジュアルはNG。

けど、そんな哀れみが“可愛がられキャラ”にもなり、
なぜだか好感度は高いんです。
あんまり、しゃべると誰だかわかってしまうのでこの辺で。
みっくんだって、まだ消されたくはありません(笑)。


さて、S嬢はすでにFさんのお気に入りになったようで、
なにかにつけ誘いをかけられます。

ホテルで執筆中のFさんがS嬢を呼び出しました。

「もう少しで上がるからね、そこで腰かけて待っててよ」

しばらくして、
「やっと上がったよ、どうだい、下のバーで気張らしに一杯飲もうか?」
「は~い、わかりました」

これがFさんのいつもの手口。
無下に断ると、今後のつき合いもあるので
担当者は黙っておつき合いするしかありません。

ほろ酔い気分のFさんはこんな事を切り出しました。

「こんどね、時代小説を書こうと思ってるんだ。
シリーズで10巻くらいかな。
どうだい、Sのところでやる気はあるかな?」

「えっ、先生、ホントですか?」


出版社としては願ったり叶ったりの話です。
Fさんはすでに時代小説の成功者で、
次作もある程度のヒットが想定できます。
10巻なら10億円以上の売り上げが期待できるのでは。

ただし、狡猾な条件がありました。
「Sさ、ちょくちょく仕事抜きでオレのところに来てくれや。
さあ、上に行こうか。オレはタフたぞぉ!」

コレって、重大な岐路ですね。大げさにいってしまえば、
会社の利益を取るか、人間としてのプライドを取るか。

まあ、ちょっとくらいガマンすれば、仕事もうまくいくし、
会社も儲かるし、このくらい大丈夫・・・、
が現代っ子の選択肢なのかもしれません。


けど、S嬢は違いました。
浅草育ち、チャキチャキの江戸っ子です。
筋の通らない話は大きらいな性格。


飲んでいたバーボンをハゲ頭に垂らし、
「ウゼェんだよ、このクソジジィ! 
 10年経ったら出直してこい!」

啖呵を切り、即座に帰ってきてしまったそうです。

この武勇伝、10年経った今でも
色褪せることなく後輩へ語り継がれています。

ちなみにS嬢は旅行誌のフリーライターへ転職し、
元気に世界各地を駆け巡っています。

たまには会ってみたいな。