その瞬間は、やってきた。

トヨタの猛攻撃を、
ジャイ、磨々道らが必死でディフェンスする。
全員がリバウンドを狙う。
岡田が放ったボールが、
リングに嫌われ、はじけ飛んだ。
それを、野口がキープ。
がっちり胸に抱え込んだ。

ベンチから声が飛ぶ。
「キープ!キープだ!」

観客席からは
「ディフェンス」コールが叫び声になって聞こえる。

掲示板の残り時間が刻まれる。


残り28秒、27秒、26秒…。
点差は8点。
観客席からカウントダウンが聞こえてきた。

…7,6,5,4、3,2…


試合終了のブザーと同時に、
きたえーるは揺れた。

ベンチの選手がコートに飛び出してきた。
阿部と桜井が抱き合う。

そして、コートの真ん中で、
折茂は両手を高く突き上げ、天を仰いだ。
それから彼は、
崩れるようにコートに倒れ込んだ。

そんな彼の周りに、
選手たちが集まる。
一人、二人、
気付いたら折茂を中心に抱き合い、
彼らは泣いていた。



つづく。