昨日の勝利の余韻が
まだ全身をふんわり包み込んでいる。

思い出しては、むふふと笑う。
噛みしめては、ぐふふと笑う。

むふふ。
ぐふふ。

野口の、
あの同点の3P。
折茂さんからコートサイドの野口へパス。
パスを受け取った野口は、
ためらわずシュートモーションに入る。

スレンダーな野口の両手が、
すっと伸びた瞬間、
会場内約2000人が一斉に固唾をのむ。

一瞬の静寂。

野口の長い指先から離れたボールは、
まるでスローモーションのように、
ふわりと放物線を描いた。

会場にいた全ての人の視線が、
そのボールの行方を追う。

ボールは、ゆっくりと、
じれったいくらい、ゆっくりと、
リングに入りたくないかのように、
ゆっくりと、
そして、力尽きてあきらめたように、
リングに落ちた。

シュッと、ネットの音が響いた。

月寒が湧いた。

アリーナ席が、
レラシートが、
2階スタンド席が、
ゆらりと揺れた。

ベンチ選手が一斉に立ち上がる。
片手を、両手を突き上げて、
選手、スタッフが立ちあがる。

あの瞬間、
ああ、これがおいらたちが愛してやまない
レラカムイ北海道だ!と震えた。

忘れられないシーンが、
また一つ増えた。