キャプテンとして、
〆の挨拶をした桜井君が、
HCのことに触れた瞬間、
声を詰まらせた。

おいら、桜井良太を誤解していたかもしれない。
彼の飄々とした印象から、
もっとクールでドライな子かと思っていた。
卒業式では泣かない子。
そんなイメージだった。
が、昨日の桜井君は違った。
いろんな想いが突然あふれてきたんだろうな。
一言一言、かみしめながら、
HCへのお礼と感謝の言葉。
伝わってきたよ。

ウエアで汗を拭くふりをしながら、
目を押さえた、折茂武彦。
彼の中では、
桜井君以上にいろんな想いがあったと思う。
仲間、だもんね。

HCが濯さんのことに触れたときは、
最初から涙声だった。
2年間のキャプテン生活で、
きっと他の選手には知らされていないことが、
HCと濯さんの間にはあったのかもしれない。
このHCの涙声が、濯さんの人柄を語っている。

野口君を
「僕の作品」と自慢気に紹介したHC。

いえいえ、野口君だけじゃない。
レラは、あなたの作品です。
そして、おいらたちファンも、
あなたの作品なのかもしれない。

みんな泣いていたけど、
湿っぽくない、
まるで卒業式のような最後のセレモニーだった。