千里を走る単騎 | Coffee and Cigarettes

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糸井重里

何十年も前から、ぼくは、こんなことを思っていた。
ひとりでいるときの顔が想像できる人と、
ひとりでいるときの顔が想像できない人とがいる。
ひとりでいるときの顔が、想像できない人とは、
どうにも仲よくなれそうもない。

ま、そんなことを言っているのが、ぼくで、
想像できるだのできないだのと、
ジャッジをしているのも、ぼくなので、
あんまり信用しないほうがいいかもしれない。

でも、やっぱり「群れ」のなかにしか
いようとしない人と、
「群れ」から離れていることを、怖れない人
というのはいると思う。

個であること、孤であることから
逃げないで生きる人の姿というものには、
厳しい美しさがある。

そして、そのうえで、だ。
そしてそのうえで、
ひとりを怖れない人が、
人々の情けを感じるということがすばらしい。
ひとりを怖れない人が、
他のひとりの役に立とうと、走る姿は美しい。

Only is not Lonely.
ひとりであるということは、孤独を意味しない。
ひとりを怖れない者どうしが、
助けたり助けられたりしながら、
生き生きとした日々が送れるなら、
それがいちばんいいと思う。

千里を走る単騎は、おそらく、
おのれのためだけに走っていたのではあるまい。