砂漠 | ★朝焼けワンワン★

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人間万事塞翁が馬


東京での新生活に対する期待と不安で胸がいっぱいだった4年前の今日という日、を今でも覚えている。

越してきたばかりの部屋でひとり落ち着かなかった。

馬鹿にされまいと肩肘張ってひとり息巻いていた。








今、こうしてあの時の自分を温かく懐かしく振り返ることが出来る幸せ。




それが4年間で出会った友達のおかげであることは間違いない。

一年の時から仲いい友達から最近知り合ってもっと早く仲良くなっていればよかったと思える友達までいろいろいるけど、こんなやつと仲良くしてくれて本当に本当にありがとう。

この感謝がどれだけ伝わっているのか分からないなぁ。ちゃんと伝わってると良いなぁ。







麻雀をした。平和をつくった。バスケもフットサルもした。武蔵家でラーメンライスを食べた。二郎に並んだ。

夜7時から朝7時まで話した。ホームレスごっこをした。全部くださいをした。タンクトップで浴びるほど飲んだ。ワールドカップを顔をぐっちゃぐちゃにしながら観戦した。熱海にいった。トルコにいった。フィリピンにいった。香港にいった。



4年間の思い出は到底全部は書き出すことはできないけれど、中でもNewYorkで過ごした数日間は、topoftherockから見たManhattanの夜景のように、圧倒的にキラキラと輝いている。

MGSでNBAの試合に感動し、自由の女神の前で裸体をさらし、ウォール街を闊歩し、セントラルパークをふらふら散歩してキャッチボールをした。お酒なんて飲まなくても楽しかった。

世界で一番魅力的な街を一番仲のいい友人たちと旅した思い出は、年老いて禿げて腰が曲がっても絶対忘れないよ。






少し、自分についての話をするけど、自分はロースクールにいき弁護士資格をとるという道を進む。

会社に縛られないから資格いいじゃん!という軽い気持ちで勉強を始めたものの、院にいかなければ試験を受けれずすぐに社会に出てお金を稼ぐことができないこと、親に負担をかけるという心苦しさや、勉強を続けることの大変さでやめようと思った時期もあった。

そして大学4年の時に受けた司法試験に落ち、大学院に受かってからの半年間は、素晴らしい企業に就職してこれからの日本を支えていく友達に比べて自分はなんだ…あと2年間も勉強漬けな学生やるのかよ…という暗い気持ちでいっぱいだった。


だけどさ、「面白き ことも無き世を 面白く」という言葉があって、山口県が産んだ傑人・高杉晋作の辞世の句なんだけど、この言葉、自分で世界を変えてやろうっていう気持ちが表れててすげえ好きなんだよ。

この言葉を胸に、面白くないロースクールも面白くしてやろうと思ったんだよ。

明日からの新生活に対する期待と不安で胸がいっぱいな今日という日、を2年後に温かく懐かしく振り返られるように勉強がんばるよ。

2年後にみんなと肩並べられるように2年後絶対試験に合格するよ。

だからみんなも負けじとがんばってくれよ。日本支えてってくれよ。








今日、または明日、親しい友達が新しい道へと足を踏み出す。

言うなれば、社会という砂漠を旅するために、塀に囲われた街を出る。

友の新たな門出を嬉しく思い、砂漠で生き抜けますようにと願い、お前らと一緒に街を出ることができず見送ることしかできないことをもどかしくも思う。




原発に関する情報が嘘っぱちだったとしても、四年間を思い出して目から流れ出る涙は本当だ。

いつか砂漠の厳しさを酒の肴に、お前らと楽しく飲める日を夢見て。

今は涙が止まらないけれど、笑って会おう。




花に嵐のたとえもあるさ、さよならだけが人生だ!