L STREET2 | EdgePlayer 

L STREET2


少し迷ったが、整備士の試験に合格したことを父親に告げた


金勘定をしている手が一瞬止まっただけで、父親は無言だった


クソみたいな横顔が、なんだか哀れに思えた


トミーは、家のドアを静かに閉じた


車に乗り込み、タバコに火をつけた


ゆっくりとアクセルを踏み込む


街灯が細長く残像するまで加速したら、アクセルを緩めてラジオの音量を上げる


スピーカーから古いヒットソングが流れている


パンクバンドのボーカルが、社会問題や労働について叫んでいる


理由もなく笑いがこみ上げてきて、トミーはそのヒットソングを大声で歌った


次の曲も、またその次の曲も、トミーの知っている曲が流れたので、喉が枯れるまで歌った



その日を境に、トミーは父親と会話をしていない