九月二日

湯船の中をただひらひら彷徨う。それが何かは分からない。嫌悪と不快を感じされる小さな物体は手で掴もうとしてもひらりひらりと逃げていく。どうしたものかと考えていくうちに閃いていたアイデアが1つ2つと消えていく。この不快感とひらめきを天秤にかける。私は不快感を取り除くことを選んだ。用意したのは持ち手のある桶。手を伸ばしても取れない位置にあったそれを私は立ち上がって掴んだ。刹那、湯は波紋を広げ波が出来る。そこにただ留まっていた不快感は優雅に泳ぎ始める。